プンプン

■プンプン

 今日も自家用車で出勤である。この場合、歩数が足りなくなるので、早朝に昼飯を買いにコンビニまで往復する。長い影に沿って歩く。電柱の影はその通りに歩く。近くに大きな病院があるので、影は長い。帰りは少し遠回りして帰宅したが、思ったほど歩数は伸びていなかった。そうすると、第二段、第三段を考えておかなければならない。

 職場に到着して真っ先にやることは、アルコール洗浄、体温測定、配置表の確認とタイムカード打刻である。タイムカードは開始時刻30分以内から打刻できる。10時から始まるので、9時30分を回ると打刻できることになる。午前の作業終了でも打刻し、午後の開始終了も打刻するので、1日に4回行うことになる。

 さて、今日の作業はと、投入工程を目でなぞったが、自分名前はない。そのまま、横にずらすと、昨日と同じ出荷検査であった。

 この職場は、3人で3種類の作業を受け持ち、30分ごとにローテーションするのが特徴である。当然、3種類の作業の負荷は異なるので、午前中は2時間なので、ヘタすると負荷の高い作業が1回目と4回目に回ってくることになる。12時半までの日もあるので、皆それを考えているらしい。特におばちゃんは確実にそうである。今日もラインの横で待っていると、おばちゃんが仕切り出した。そうして、自分に一番負荷の高い中板入れから始めて欲しいという。これは、ベルトコンベアーで流れてくるダンボール箱の中にダンボールの板を入れるだけである。昨日で懲りたので、2枚くっつきがないかどうかを確認しながら行う。

 30分後に自動ラインのお守りである。エアーで用紙の束から一枚だけ吸引し、ダンボールの箱に入れる装置である。昨日は、何回か吸引しないというエラーが発生した。その場合は担当者が入れるのである。しかし、エアー漏れも場所に結束バンドが巻いてあり、漏れはなくなりほとんどエラーが起きなかった。そうすると、立って見ているだけになる。

 昼食後、午後の担当を確認すると、午前中と同じである。まあ、出口の風通りがいい場所にスポットクーラーもあり、楽なのはいいのであるが、トレーニング効果は無い。なんか、意図的な動きを感じる。想像であるが、あの腹の出た奴は、投入工程では辛かろういうのであろうか。

 そうして、15時25分にラインが止まる。タイムカードの打刻は15時29分であった。この前も似たような時刻に終わり、15時28分の打刻であった。契約内容は、時給だけである。したがって、1時間未満は切り捨てということも考えていたが、昼の開始時刻が13時30分なので、30分単位で計算される可能性もあると少し期待した。ところが、変な時刻にラインが止まる。15時30分を過ぎたら賃金の支払いが発生するので、5分前で止めているのではなかろうかという匂いがプンプン湧いてくる。

 しかし、聞こえてくるのは、その日に入庫したのはやり切るという言葉である。単なる偶然だろうか。最初の給料日は9月末である。タイムカードを写メしておこうかとも考えたが、どうでも良くなった。出来れば毎年雇ってもらいたいという気持ちになっているので、大人しくしておこう。10時始まりで16時ごろ終わる仕事はあまりない。

■「駄目な世代」(酒井順子著、角川書店、2018年)を読む。

「~自分の生きたいように生きているから」

「~生涯未婚率~男性が23%、女性が14%~」

「頑張ってもどうにもならない世の中で~」

「集団のために、歯を食いしばって頑張る的な文化は、これからすたれる一方となるのでしょうか。」

「さんざん社会の実験台にされ、そのまま見捨てられた世代」

「~全てにおいて“上”を目指すのが人の道とも思っていない。」

「自分で自分の始末を考える」