めまい

■めまい

 それは、朝起きた時から始まった。暗い部屋で6時ごろ起床したが、視野が狭くなっていた。その後、朝湯に浸かる。このころになると、明るくなっており、視野の狭さは気にならなくなった。

 家人は遅出なので、車不要とした。その結果、健康で文化的な最低限度の生活ができることになる。7時前にセカンドオフィスに向かって歩き出す。5分ほど歩いたところで、薬を忘れたので戻って、再び歩く。何か、だるい。こういう、身体からのサインは見逃してはいけないといつも思っているが、どうするかまでのスキルはない。

 常連さんが来店されいろいろな話で盛り上がる。特に今日は、白馬五竜へ行って来られた方の写真で盛り上がった。一面真っ白である。今年は雪が多そうだ。盛り上がっている最中に、いわゆる立ち眩みのような状態になる。まあ、めまいだろう。時は私に何を残していったのだろうと恨めしい。急ぎ、話の中から外れて目を瞑るも、話しかけられては応じない訳にはいかない。

 めまいは、2種類ある。一番重いのは、良性発作性頭位めまい症であるが、これは対応方法を学んだ。問題なのは、立ち眩みのようなめまいである。これは、どうにもならない。心なしか、心臓もだやい。もやは寿命かなあ、などとよぎる。

 まあ、早期退職後、結構好き放題をして来たので、それも選択肢の一つかなあ。くれぐれも勤めていなくて良かったと何回となく思う。

 歩数は1万6千歩ほどになったので、帰宅する。途中で家人と合流して乗せてもらう。

 午後からは、クラフト製作である。干支の試作を作る。もちろん、虎である。今やっておかないと、必要な木の実が準備できないことになる。木の実は今の時期しか採取できない。

■「つばさよ つばさ」(浅田次郎著、小学館、2007年)を読む。

「~炎天下のハゲはあやうい。」

「歴史上の既成事実が正義とは無縁である~」

「事故や事件はさまざまな反省をわれわれに促す。」

「~“風呂”は元来、サウナの意味なのである。」

「~“人類社会は進歩している”という思い込みである。」

「“一家団欒”の“欒”の字は栴檀(せんだん)の漢名である。」

「われわれが文明と信じている生活の中には、実は多くの知的退行が潜んでいる。」

「~本でも読むほかには時間の潰しようがなかった~」

「まったく文明社会というのは、幸福なのか不幸なのか、豊かなのか貧しいのかわからぬ。」

「~目的は、一にかかって自己の喪失である。」

「いずれ筋肉の衰えとともに精神が肉体を宰領する年齢になれば、自殺するか発狂するか犯罪を犯すか~」

「まずいものは毒」

「三度の食事をけっしておろそかにしない中国人の朝食である。」

「~朝食抜きで仕事をし、学問に励むことが、はたして文明なのか、と。」

「災難は自己責任」

「~人間は肉体の成長とはうらはらに精神を萎えさせてゆく。その退行をおしとどめる力が、小説に欠いていてはならない。」

「~すべての感動を“かわいい”としか言い表すことのできぬ、世界一優雅で空疎な若者たちであった。」

「~長生きがしたければ“食うな”であるが~」

「神様からもらった奇跡のような自由時間も、ほとんど脅迫的に仕事で埋めてしまう。」

「~さる出版社からケンもほろろにつき返された小説のボツ原稿が~」

「世界通の日本知らずが多くなった。」

「~体育系文学少年であった~」

「まさしく恥ずかしながら何でもやるのである。」

「~天然こそ芸術~」

「言葉は明らかに退化しているのである。」

「おまえには権利があっても資格がない。」