剪定2

■剪定2
 毎朝、始業30分前には机に向かっている。自分が登校する時刻でも数人が既に来ている。Nさんが、誰に語り掛ける訳でもなく、全員に聞いて欲しいという声で昨日変わった樹を見つけて参加者の誰も分からず、先生に聞くために持って来たと、透明な袋を開けにかかる。私は、一目で『クサギ』と答えた。もちろん誰も信じない。
 あちこちで図鑑を開く音がして、クサギと断定された。自分に向かって『一発で分かるくらいなら、学校に来なくてもいいのではないか。』と少しぜんち株が上がった。『なあに、メジャーな木ですから。私は、シラカシウラジロガシの区別さえできなかったレベルです。』としおらしく応えた。
 授業は剪定の理論が続く。剪定には大きく3種類ある。まず、枝おろしである。これは、ナチュラルターゲットカットを心がける。樹皮に傷を付けると形成層がやられて樹が弱るので気を付けること。2番目が枝透かしである。小透かし、中透かし、大透かしと習った。最後は、切り戻しである。これは、外芽の上3〜5mmで切除することであった。
 誰かから先生に知り合いの話ということで質問があった。玉作りと称される通常イヌツゲやマメツゲが多いがこれが公共の道路まではみ出している対策であった。
 スマホの画像はきれいに刈り込まれている。しかし、歩道にだいぶはみ出している。こういう人達は樹を植えないでもらいたい。自分の自己満足が公共の迷惑より優先している人たちである。木を植える資格はない。根元から切ればいいだけではないか。自分が迷惑の当事者になったら、間違いなく善意の第三者になっている。
 今までの学校の知識から考察すると、樹木にはふところ枝が出る。太陽光線が当たれば葉も付ける。しかし、毎年毎年上っ面ばかり刈り込んで美観にしか考えが向かなかった無知や手抜きのため、樹は最上の葉だけを付けたまま成長し、はみ出したのである。この場合内側は茶色の枝だけである。
 こうなっては、切るしかないが、毎回毎回中の枝にも光が当たるような剪定をすれば最上部の葉の下にも葉があるので、強剪定してもそんなに見っともなくならないのではと思う。管理できないなら、植えるな! 恥ずかしくないのか! それでも社会人か!
 ビデオもあった。モミジバスズカケノキアメリスズカケノキに登って剪定している。自分はダメだと思った。木の上にまたがっての作業はできない。枝には乗っていい枝と駄目な枝があると習う。見方は『入り皮』の状態を確認することである。
 実習では、サツキツツジの剪定作業を習った。初めての木ばさみ使用で皆興奮していたようだ。それにしても細かいね。
 植物を覚えるためにダジャレを作っている。
 1.サワラの裏がXになっているので『バッテンは触らないで』 これは受けた。
 2.同様にヒノキがYなので、『お前は誰じゃ、ワイはヒノキじゃ』
 3.クチナシが三輪性なので、『黙って三輪車を漕げ』 これは却下であった。
 4.ドウダンツツジでは『先頭は五菱電気だ、ドウダ!』 し〜ん。
 5.ベニカナメモチは、側脈が主脈付近に集まってしかめつらのように見えるので
   『金がなくて、渋いモチ』 未発表
 し〜らけ鳥 飛んで行く 南の空へ ミジメ、みじめ〜、でも受験用の50種分は作って希望者に配布したいと考えている。