剪定3

■剪定3
 今日の授業は花芽と葉芽であった。
 知っている人には常識だろうけれど、自分は「花芽分化」を初めて知った。
 これは、最初は全て葉芽として出てくるが、日照時間や温度や栄養状態によって一部が花芽になるということである。混芽といういい方もあるようだ。
 剪定する場合に重要なことは、この花芽が樹種ごとにいつ、枝のどの部分に付き、いつ開花し、実を結ぶかという開花習性を知らなければならないことだ。
 ①今年伸びた新枝に花芽を付けて夏〜秋に開花するタイプ
 ②花芽が冬を越して翌年の春に開花するタイプ
 ③今年の枝に付いた花芽が翌年わずかに伸びて開花するタイプ
 ④春に伸びた枝に花芽のある葉をつけ、翌年そこから伸びた新しい枝に開花するタイプ
 これらについて、剪定する時期と主な樹種を習った。
 特に、モクレンハナミズキツツジ類が頂芽に花芽は分化するので注意が必要である。
 例題があった。ツツジがまったく咲いたことがないというケースである。
 まず、周りの樹種を調べて、方向を確認する。
 考えられることは、剪定時期を誤った場合、テングス病、日照不足がある。花が散って、花芽を付けた後に剪定するとツツジの場合は頂芽にできた花芽がすべて取られるため花は咲かない。今回のケースはツツジの南側に大きなイトヒバやウメがあったので日照不足の要因が多いとのこと。
 雑談のなかで、キョウチクトウという樹があるが、ハイキングに行って箸を忘れたのでこの枝を切って代用したところ、死亡事故になったという。いかに、樹のことを知らないかの例である。
 キタヤマダイスギは花粉を出さない。
 しかし、これは大変なことになった。樹の種類ごとに花芽のタイプを知らべて樹種ごとに対応しなければならないことになった。しかもこれは、この業界の基礎内容である。勝負はこの後の工程である。
 もし、間違ったらどうなるか、剪定後に花が咲かない樹になるという。実際、そのクレームがたくさんあるという。
 アジサイという樹がある。これは花が咲いているときに、2段目の葉の根元に翌年咲く花芽を付けるので、それ以下で切っては花が咲かない。しかし、近年外来種が多く入っており、この法則に合わないアジサイ種が出てきてトラブルになっているとのこと。最新の動向を追いかけるのはどこの業界でも同じだ!
 なんか、やっていけそうもないなあと思っていると、技術者として期待されるのは30代までで、それ以上は単なる作業者としてしか期待されないので心配いらないという。そうか、それなら独立開業だなあと同僚2名で雑談となった。
 自然が好きでこの業界のドアをノックしているが、好きなことは職業にしない方がいいようだ。あくまでも趣味の範囲でとどめておいた方がよさそうだ。花や樹のことに詳しくなるにはどうするか。やはり、花や樹や自然を職業にしている人に聞くか自分がそれを職業にすることであろう。
 定年後はもっと楽に生きられると考えていたが、世の中甘くないねえ。
 今日の樹の覚え方ダジャレ。
 1.カツラ・・・カツラの匂いは心臓に悪い。(匂いが強く、葉の形がハート形)
 2.イスノキ・・・椅子に座って無視する。(この木は、虫こぶができやすい)
 3.ケヤキ・・・ケヤキの特徴は鋸歯が葉先に向かっていることと、内側に丸まっていることである。「気を付け、礼」をもじり「ケャキ付け、礼」とした。

■「がんばらない生き方」(池田清彦著、中経出版、2009年)を読む。
「〜汗の一滴まで絞りとられても、『がんばる生き方』をしなければ、人並みの生活さえもできないという“時代の空気”が出来上がりつつあります。」
「〜やはり自分の素地素養に照らし合わせて、ほどほどのところで『あきらめる』のが肝要です。」
「無駄に挑戦することを通じて、自分の適性を知っている人は有利なのです。」
「教養は生涯に渡って一度も活用されないかもしれないが、ひょっとしたら、その人の人生を左右するぐらいのメリットをもたらすかもしれないのです。」
「微妙な変化を楽しむというのは、〜賢い生き方と言えるでしょう。」
「〜過去を引きずると判断を誤ります。」
「〜国の政策などを信用するのはバカなのです。」
「〜他人の話をじっくり聞ける力というのは、プライベートはもとより、仕事のシーンでも武器になる。これは間違いありません。では、どういう人が聞き上手になれるか、というと、自分に対し静かな自信がある人です。そういう人は、むやみやたらに自分をアピールしません。」
「イディオ・サヴァン〜」「〜特定の分野が群を抜いた凄さを発揮する人の中で、それ以外の能力が極端に劣る人たち〜」
「遊ばなくなるから、老いるのだ」(バーナード・ショー
「神は細部に宿る」