氷点下

■「いま、目の前で起きていることの意味について」(ジャック・アタリ編著、早川書房、2010年)を読む。
 政治関連で堅く読み終えるのみ我慢が必要であった。外国の翻訳本はあまり読まないが、タイトルで手に取った。フランスの政治家らしい人の対談が主である。
「人間はたいていの場合、恐怖を覚えた時に重要な問題を自覚する。」その通りだと思う。
 この本は、2050年の予測がところどころに出ている。今後流行りそうなノマドのことが出ている。2013年ごろのキーワードになるだろうか。

■氷点下
 部屋に温度計はないが、帰宅時の寒さはこの冬一番ではなかろうか。天気予報では、明け方はー3℃とでている。ということは、今の外気温は氷点下だろう。
自分の部屋について書いてみる。臥薪嘗胆ということばが好きで、2畳ほどの書斎(?)はフローリングである。壁紙はわざわざ文句を言われながら、木の板目である。フローリングの上に直接布団を敷いて眠っている。もちろん、冷房も暖房もない。数年前家人があまりということで、細長い電気ヒーターを買ってきたが、甘えてしまうので今は風呂場専用になっている。この寒いのがいい。凍えそうな手で本を読み、1970年代のフォークソングを聞き、スウ〜ツと眠っていく。まさに、宮沢賢治の「雨にも負けず 風にも負けず〜」の世界である。北に寒さで震える人がいれば、気合いだ!と言って励まし、南に暑さで元気のない人がいれば、気合いが足りない!と蔑み、西に「あんた、ダラけ?」という人がいれば「ああ、そうだよ。あかしあの花が咲いている」と応え、東に元気な人がいれば、いつまで続くのか分かっているのか?と嫌味を言う。そういう人に私は成りなくない。