■千光寺
いつ頃からだったろうか、定年後は空気のきれいなところを散歩し、地元のおいしいものを食べ、温泉に入って過ごしたい、と夢見てた。しかし、実際定年になってみると現役時代よりも多忙でゆっくりできる日がなかった。正月にパソコンの中に入れてある過去の文章を眺めていたら、定年後の生活、という表題の文章が見つかった。作成日は2004年になっている。ちょうど、定年準備に差し掛かったころである。
その文章を読んで見て顔が青ざめた。今の生活とほとんど合っている。朝錬といい、学校に行っていることといい完全に一致している。13年前に考えていたことが現実になっていることに驚いている。(まあ、偶然だろうが・・・)人間は考えた通りの行動をする、という証明になった。
そんなことを考えながら正月休みを過ごしていると、週末の達人である知人のTさんより、野鳥観察のお誘いを受けた。まさに、鳥が取り持った縁である。
今日は知人のTさんプロデュースによる、高山の千光寺、おいしい昼食、有名な温泉の企画であった。
千光寺は、標高800mで気温が氷点下5度であった。積雪もあり、ガリガリと歩かなければならない。さっそく、カケスの群れがおり、騒がしい。その他、2種類の聞いたことのない野鳥が啼いており、シャワー状態であった。しかし、逆光と木の中に入っているので出会いはなかった。
さらに、千光寺にはミニ四十八か所周りが体験できるコースが整備されている。
この看板のある25番目から60近くまでの周回コースがあるのでそこを歩く。凛とした雰囲気で自然と背筋が伸びてくるようだ。落葉が凍って歩くと音がし小気味いい。樹木はスギの大木の間にヒノキの低木が混ざっている。おそらく、植林したと思われる。凍ったヒノキである。
2時間近く山道を歩いたろうか、最後に御嶽山を拝む。
どうせなら、一番から回りたいと場所だけでも確認しようと五本杉まで降りる。天然記念物なので案内に沿って歩く。
ここにもカケスの群れがおり、騒がしい。なかなか出てこなかったが、一瞬別の樹に移る瞬間をボケボケで撮った。今回はこれで我慢である。
五本杉は、一本の幹から5本伸びている。こうなるには、一度切られたところから生えて来たと見るべきであろう。
続いて昼食である。ここでしか食べられない店へ連れて行ってもらった。案の定行列ができている。しかし、待つことにした。
もつ定食と豆腐焼きである。これも、鳥が取り持った成果だろうか。味噌が絶妙であった。大満足のひと時である。
そして、温泉である。ここの温泉は、知る人ぞ知る温泉であった。13時開湯で待っている方がいる。そしてすぐに満員になる。温泉に入るといいかどうかぐらいは分かる。ここの温泉の泉質は素晴らしいものがある。効いていることが実感できる。上がって確認したら、日本に少ない「1.158ppm」の遊離炭酸泉ということであった。いろいろ悪いところが良くなったという方が多いという。もう、最高!!
いい一日を過ごさせていただき、知人のTさんには感謝である。
帰路で次回の予定も決まった。こちらで、下調べぐらいはしておこうと思っている。