剣山

■剣山
 7月以降あまり予定はいれてない。3日ほど空いている日があったので、山へ行くことにした。命の危険にさらされる暑さのため、外での運動を控えよ、という報道が繰り返される。そんな中で、家人に自転車通勤をしてもらい、自分は自家用車で山へ行く。ETCカードをセットして出発である。ナビで登山口である見ノ越駐車場を入力しても該当なしなので、直接「剣山」と入れたらヒットした。660kmと表示される。
 暑い日が続いており、車から出るとモワ〜ッという感じになる。確かに今までに経験したことのない気温で災害であるという報道は当たっている。
 琵琶湖沿岸では、若者たちが水上スクータなどで元気である。走っている人たちもいる。
ちょうど、ラジオでサザンの特集をやり出した、いいドライブ日和になった。
 気が付くと、後ろに白いワゴン車がピタッと付いている。50km制限なので、60〜70kmで走っておれば文句はないだろうが、うざったい。しばらく行くと、坂道になりゆずり車線があったので、左側のゆずり車線に入り、心持アクセルをふかした。すると後ろの白いワゴンは走行車線をすごいスピードで抜いて行く。こっちは70kmほどとしたら時速100km以上は出ているはずだ。ゆずり車線終わりからは、自分が白いワゴンの後ろになった。そして、止められた。すぐそこに、止まれの旗を持った警察がチェッカーフラグのように白いワゴンを止めた。そして、直ぐ後ろに自分が着く。こっちも違反になるかもしれない。警察は白いワゴン車を右の空き地へ誘導し、自分には軽く会釈して通してくれた。50kmオーバーとしたら何点だろうと考えたり、あんな奴は免許取り消しになった方が世の中の為と思いながら、いつの間にか忘れていた。
 剣山は徳島県の山なので本州からのルートは瀬戸大橋になり岡山県から入ることになる。
 標識に「つるぎ」という地名が出てくるのでその通りにする。「つるぎ」という場所に着いたら、剣山という名前が標識に出るのでナビが無くてもいける。しかし、林道が長い。
30kmの距離にすれ違いできない狭い場所や360度のヘアピンカーブがいくつかある。
 駐車場に到着した時は、23時ごろであった。月曜日なので車中泊の車は3台ほどで少なかった。窓を少し開け、気温20℃の過ごしやすいところで熟睡した。
 ここはリフトがあるので、リフトで半分まで行くことにしていた。8時から動くのでタップリ8時間は眠れると考えていたら、5時に野鳥のけたたましい声に起こされる。種類は分からなかったが3種類ほど数羽ずつ同時に鳴くのでとても寝てられない。外は、もう明るくそんなに寒くもない。しかもいい天気である。
 そこで6時少し前からリフトを使わずに登ることにした。
 見ノ越駐車場である。

 トイレは2か所あり水洗でペーパー付であった。
 登山口には土産物売り場も数軒あり、早朝なので閉まっていたが、いい雰囲気であった。
 数分ほど下がると登山口があった。山門のようで鳥居につながっている。

 距離がは4kmなので2時間コースであろう。

 登山道はつづら折りに作られており、傾斜は緩く水平道に近い。急なところもなく歩きやすい。

 まだ、暑くなっておらず樹林帯で風が吹くと肌寒いくらいであった。変わった樹があった。これは「シロモジ」である。地元ではあまり見かけないが、吉峰に植わっている。

カマツカやコハウチワカエデの巨木が勢ぞろいであった。
 太陽光線が差し込んでいいコントラストが出来ている。

 いろんな野鳥の声がこだましている。目の前にも止まった。デジカメなのでまともに撮れないが、これはゴジュウカラであろう。

 中間点はリフトの終点の西島駅である。まだ、鎖がかかっている。ここまで1時間ほどである。途中、テント泊している若者がいた。この山の少し開けたところでテントを張れば行動範囲が広がるし、お金もかからない。

 西島駅にも公衆トイレがある。しかし、いわゆるボットントイレでペーパーもない。
 ここから、コースが2通りある。大剣道コースと尾根コースである。尾根コースの方が20分近いので、そちらで行こうと決めたが、登り口が分からない。大きな掲示板があったのでゆっくり確認しても分からないので、駅の周りを回っていたら見つかった。駅の後ろの方から登るようになっていた。
 登山道は緩やかで、傾斜のある場所にはコンクリートの広い階段が敷き詰めてあり、スニーカーでも登れそうである。それでも、太っているためか汗びっしょりになる。
 奥宮の鳥居をくぐる。

 頂上ヒュッテで土産物や食事などができる。驚いたことに、店の前にテントが張ってある。

 雄大な頂上付近の木道である。こういう風景は地元の里山では見ることができない。

 まずは、頂上で写真である。てっきり1番乗りだと思っていたが、7〜8人いた。途中で泊まっていた人たちだろう。

 頂上からの眺望を撮る。望遠レンズを構えた方の方向を撮る。

 三角点がひどく仰々しくなっている。

 こっちにも頂上の標識があった。

 時計を見ると8時である。もうそろそろ始発のリフトが動く時刻である。
 ここで下山する。
 登る時には気が付かなかったので撮る。

 西島駅に着いた。ここから30〜40分で下山するが、ここのリフトは一人用で乗って見たくなった。値段は1030円もする。普通は登りでリフトを使う人が多いだろうが、まあ、シャレである。もう来ることはないので、できるだけ体験しておこうという意識もあった。

リフトに乗りながらスピーカーから解説放送がある。こういう解説は参考になるなあ。ゼンテイカニッコウキスゲ)が見事であった。

 しばらく行くと、クガイソウが植えてあった、頭を垂れていないので違った種かなと思っていたら南国クガイソウという標識が着いていた。

 すれ違いざま、リフトで登る人の多い事多い事。やはりもう登山道なんか歩かないのかね。素晴らしい発見がたくさんあるのになあと思いながら涼しい風に包まれる。
 15分間の空の遊覧もなかなかいいもんだ。9時前に駐車場に到着し、衣服を全て着替えで帰路に着く。
 大型バス3台で生徒が降り立った。100人ぐらいいるようだ。
 来るときは夜中だったので景色は分からなかったが帰りは日中である。四国の山は面白い。円錐形の小山がポツポツと立っている。連なっていないので面白い。瀬戸大橋を渡る。自分の口からは、シルビーバルタンの「あなたのとりこ」のメロディーが自然に出て来る。瀬戸内海にはこの歌が合いそうだ。今回珍しく家人より土産物を頼まれており、パーキングに寄る。

 ちょうどお昼なので昼食も検討するが、ここはウドンしかないだろう。専門店に入る。
 うどんの大盛りは400円であったが、テンプラが380円と高い。そのため、テンカスで我慢することにした。満腹まんぷくであった。

 帰路は流石に疲れがたまっていた。姫路バイパスは以前高速道路だったのだろう。緑の標識であった。R161は効率が良く、到着時刻を1時間以上短縮できたが、眼が悪いのと疲れで道がよく分からない。そこで、後ろの車を先に行かせて必死にテールランプを追いかける。トラックの運転手はやはり運転が上手である。付いて行けなかった。
 今回の熱中症対策は地温が温まる前に登山を終わらせることであった。