知らないヤツが悪いのか

■知らないヤツが悪いのか

 自宅のボイラーの横に付いているバルブから水が勢いよくでた。5年以上前から時々見ている。
「そういうものなのか」と、「役せん夫」は気にもしない。
今にして思えば、数年前から水道料金が急に倍近くになっていたことを思い出す。
毎日、風呂を沸かすためと推定して、その場をやり過ごしていた。

 先日も同様な症状になり、家人が住宅会社へ電話し、シャワーのハンドルの故障ということが判明し数万円かかったが交換してもらった。「役せん夫」には到底できない作業である。原因が分からないということで、浴漕のメーカーであるN社も来ていったらしかった。

 これからがすごかった、携帯電話に数回、郵便ポストに名刺と添え書きとにかく電話を欲しいということであった。
「役せん夫」は、こんなにも自分の家の事を考えてくれる業者もいるのかと感謝したい気持で受け入れた。

 作業内容は浴漕の清掃である。30分ほどで1万数千円の請求がきた。まあ「役せん夫」では出来ない。しかし、修理明細を見て判明した。
そこには、2明細書かれてあり、一行目に「水漏れ確認」とあった。
つまり、この業者は、前回住宅会社から依頼を受けて水漏れを確認した時の検査料を欲しくて何度も電話をしてきたのだった。これで2回分の出張費が上乗せされ、こんなに高い金額になっていることが分かった。

 世に貧困ビジネスというものがある。困った人たちの上前を撥ねる商売というか詐欺まがいの仕業である。泣き寝入りするのは、自分達のような弱者ばかりである。今後、N社の製品は一切買わない。

 水道局へ行って、使用しなかった水道料なので返還して欲しいと要求したところ、自然漏れではないので法律の対象外という返事であった。
国家も法律も宛てに出来ないと再認識させられた。

 全部で5万円ほど掛かっているが、過去5年間として支払った水道下水料金を考えると天文学的な数字になる。
 あ〜ぁ!知らないことは悪なのか!知らないヤツが悪いのか!

 時期を同じにして、洗濯機も壊れたので業者に見てもらった。1年の保証期間は過ぎている。しかし、日々使うものであった。約2時間の作業と部品も交換してもらい。高額の請求を覚悟していたが、無料であった。
「何とか、うまくこっちで処理しておきますよ」
世の中、捨てたものではない。H社はこれからも贔屓にしたい。

悪いことは重なるもので、部屋の引き戸が重くなっており、住宅点検時に修理してもらった。ドラーバー一本で1分以内での修理であった。
これを見ていた家人は、台所と廊下の間の引き戸も軽くしてくれと「役せん夫」に頼んだ。しかし、予想していたことではあるが、出来ない。

このことで、「役せん夫」から「甲斐性なし夫」に変わった。