煮え湯

■「単独行遭難」(羽根田 治著、山と渓谷社、2012年)を読む。
 全て事実をインタビューや記録を通じて記してある。自分も近いことを体験しているので夢中に読み進んだ。中には涙無くしては読めない箇所もあった。このシリーズは何冊か読んでいる。
 登山届、迷ったら戻る、過信はしない、事前の準備など何時も考えていることばかりだ。山も基本が大事であることを再確認した。
 この書物の中に、自分の2011年の平瀬道からの白山登山の時と同じ症例が出ている。驚いた、何から何までそっくりである。まず、力が抜けて歩きが遅くなる、寒気がする、頭痛がする。それから、両足の痙攣である。例示された登山者は動けなくなり救助要請した。また、これで亡くなる人も何人かいるそうだ。病名は『熱中症』である。今まで、低体温症かと思って調べていたが、熱中症と分かり対策を立てやすくなる。考えてみれば自分も昨年は危ないところであった。いみじくも勇気ある撤退になってしまった。

■煮え湯
 今日は帰宅が20時30分になった。夕飯は一人で食べる。味噌汁を飲んだ。煮えたぎっていたのをそのまま器に入れてある。思わず吐き出そうとしたが、がまんした。口の中の上あごの粘膜はきれいに剥がれた。剥がれた後は血の味がする。これが煮え湯を飲まされるの例えの感じか。まあ、故意ではないので、素知らぬ顔をして食べ終わった。
 そういえば、昨日餅が食べたいとのことであったので、スーパーで買ってきたにもかかわらずテーブルに置きっぱなし。いらないということなので、自分が食べることにした。カンカンでもないが、柔らかくもない。まあ、物質を口に入れたような味がした。