有能でも「窓際族」

■「山ふたり」(三輪敏広・三輪和恵著、春風社、2012年)を読む。
 確か白山の本も出版している方々である。前書きを読んで胸が詰まった。夫は平成18年に他界されていたのだ。もともと、百名山踏破のための参考にするためであったが、どんな思いでまとめられただろうと思うと感情移入してしまう。
 夫婦で縦走し、二人別々に紀行文を書いている。視点が違ってこういうのもおもしろい。
参考になることが沢山でてきた。電車とバス、タクシーでの移動で、マイカーを使わないところが気に入った。金沢在住の方で、移動手段も参考になる。
「全山縦走が前提条件になる。」
「ザックの総重量が27kgになる」
「テントを広げて乾かしながら昼食」
「テント泊の利点は、誰にも気兼ねせず、ゆっくりくつろげ、安眠が確保でき、プライバシーが守れることにある。だから苦労してでもテントを背負うのである。」
「インスタント食ばかりの六日間」
「気になるのは天気だが、悪ければ中止して帰るだけだ。」
南アルプス縦走では、一日の歩行時間が9〜10時間という無理な計画」
「御岳山を目指すには、JR高山線飛騨小坂駅からバスで登山口の濁河温泉に行くのが最短コースである」
「連休時の混雑する山小屋は予約すべきである」
「どんな山でも登山口から頂上まで歩いて登るのを信条としている」
「東京都の明治の森(高尾国定公園)から大阪府の明治の森(箕面国定公園)までの総延長1376kmに22億円を費やし」
「道を間違えたと気づいて引き返す」
「何でも『一周する』ことに心ひかれる」
「六甲全山縦走とは、六甲連山を一つに繋いで56kmを一日で歩き通すことで」

■有能でも「窓際族」
あるブログからの引用である。
大手企業の間で、水面下での「早期退職」が進んでいるという。
「それは、これまでのようなパワハラ、セクハラによる社内いじめ、退職勧奨、配置転換などのリストラとは性格が違う。なぜなら、早期退職を決めるのは会社側というよりも、辞める本人であるからだ。一昔前の窓際族に近いかもしれないが、大きな違いは彼らは決して無能だから窓際になったわけではない。むしろ有能で、つい先日までプロジェクトリーダーだった人間が、1か月後に社内の窓際族になる。日本は今、そんな時代を迎えている」
「 とにかく時代のニーズの変化のスピードが速すぎるのです。うちの会社でもつい数年前まではガソリン車が当たり前でしたから、社内のリーダーは機械系エンジニア。ところがハイブリッドが流行り出してから、電気系エンジニアが必要になり、機械系エンジニアの居場所が急激に減り始めた。しかし、ここだけの話ですが、今はチヤホヤされている電気系エンジニアも、あと数年でうちの会社で居場所がなくなるでしょう。
なぜって? 数年先には電気自動車の時代になるからです。そうなれば今度は電子系エンジニアが必要になり、大半の電気系エンジニアは社内に居場所がなくなるのですから」
「あの希望に輝いた目が、3年後、死んだ魚のような目になり、社内ではシーラカンス、枯れた植物人間のように扱われ、いずれ社内からのコバンザメ同然の蔑視の視線に耐えられず、自ら会社を去っていくのですから・・・」