解雇は「やる気」

■「キノコの教え」(小川 眞著、岩波新書、2012年)を読む。
 昨年、キノコが沢山採れたことから少し学んでみたくなった。
「キノコの名前を覚えるには食べるのが最も確かだが、危ないので、噛んでみるのをお勧めする。ただし、絶対に飲み込まないこと。」
「『茎が裂ければ食べられる』というが、これも間違い。」
「キノコはセシウムを吸収する。明らかに汚染された地域のは食べない方がいい。」
「人間が生きていくために必要な三つも大切な事柄が軽んじられてきた。その第一は生き物として命をつなぐのに必須の『農業』である。〜第二は知識を後世に正しく伝えるための『教育』である。〜第三は人の心を養う『哲学』である。」

■解雇は「やる気」
日経ビジネスからの引用である。
「60歳の定年の所で救済される人の割合はそれほど高くはないかもしれません。ただし、どうしようもない人を65歳まで雇わなければいけないということが職場の士気などに与える影響は結構大きい可能性もあります。
 裁判をするとなるとお金もかかるし時間もかかる。中小企業で働く労働者の多くはその負担に耐えられずに、理不尽な取り扱いを雇用主から受けた場合、労働局にあっせんを申し立てるケースが多いのです。そのため、裁判になるようなケースは大企業の労働者を中心にした氷山の一角です。この斡旋の事例を見てみると、結構ひどいやり方で解雇されている。日本の法律は企業規模に応じて雇用保護の度合いを変えてはいないですから、整理解雇の4要素のような話はどんな企業規模でも当てはまるはずでしょう? しかし、法の意図している労働者の保護は、中小企
業まで行きわたっていないという実態があるのだと思います。
 環境の変化ですね。たとえば、賃金カーブがフラット化する中で、頑張って昇進しても金銭的に報われないならクビにならない程度にサボればいいと考えるような人が目立ってきた。それならすぐクビにすればいいかというとそうではなくて、一方ではいずれ簡単にクビを切られると思ったら、従業員が何も責任を持たない恐れがあります。高度成長時代は人手不足で、従業員が「クビになるかもしれないから責任を持たない」と考えることのコストの方が、とても大きかったんだと思います。だから長期雇用を保障して、企業の中でキャリアを形成してもらった。
 アタマを使ったイノベーティブな仕事に活路を見いだす方が、より明るい未来が見える気がしますね。何かとても革新的なアイデアがあったらそれでプログラムを組めばいいわけだから、資本もいらない。だから今までより多くの人が起業家になる確率が高まると思います。すると今後、学歴が高くて抽象的に物が考えられる人の方が成功する確率が高くなる、ということになるでしょうね。」