がんの発症リスク

■「マジメとフマジメの間」(岡本喜八著、ちくま文庫、2011年)を読む。
 先ごろ亡くなった映画監督である。自分はあまり映画は見ない方なのでこの人はしらなかったが、作品の中には知っている名前がいくつかあった。過去に発表した文章をまとめてある。戦争を喜劇化することで知られているが、その壮絶な体験が原点であることがわかった。
 何度でも登場する文章に「上手く行って二十三、下手をすれば二十一」というのがある。特攻隊に志願したとのこと。寸でのところで終戦を迎えた。壮絶だったのは250キロ爆弾が落ちた時仲間の大半が犠牲になった。「戦友の99%がハラワタをさらけ出し、足や手をふっ飛ばし、頸動脈をぶった切られて死んだ。彼らの肉片をこびりつかせ、頭からどっぷり血のりを浴びても生きながらえた。」
ひめゆりの塔やきけわだつみの声にはただもうヤミクモに泣いた。」
「一番癪に障る批判は無批判という批判だ」

■がんの発症リスク
読売新聞からの引用である。
日本糖尿病学会と日本癌(がん)学会は14日、糖尿病が、がんの発症リスクを高める要因になると発表した。
 両学会は、野菜不足や過剰な飲酒、運動不足、喫煙は、糖尿病とがんに共通する危険因子だとし、適切な生活習慣を身につけるよう、呼び掛けている。
 両学会は合同委員会を設立し、2011年から糖尿病とがん発症との関係について検討を続けてきた。
 全国各地で実施された男性約15万人、女性約18万人分の健康状態の追跡調査のデータを解析。男性約2万人、女性約1万3000人が、がんになったが、糖尿病の人は、そうでない人に比べ、がんになるリスクが男女とも1・2倍高かった。
 中でも、大腸がんは1・4倍、肝臓がんと膵臓(すいぞう)がんは、それぞれ約2倍、高かった。子宮がんや膀胱(ぼうこう)がんも、糖尿病になるとがんのリスクが高まる傾向がみられた。一方、乳がん前立腺がんは糖尿病との関連はみられなかった。」

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