人財流出

■「いま伝えたい言葉」(中村 薫著、法蔵館、2011年)を読む。
 ひとくち法話ということであった。何か特定の人物に偏っているようにも感じた。
「偽と言う字を分解すると人の為になる」誰々のためというのは、ウソということだ。

■人財流出
日経ビジネスからの抜粋である。
「確実に言えることがある。それは、強い競争力を持つには優秀な人財の育成、確保に、もっと真剣に取り組まなければならないということである。武田信玄の「人は城、人は石垣…」という言葉があるように、組織にとって、人財は何よりも重要である。その質を一定以上に保たない限り、その組織に未来はない。
このように人財とは、組織にとって何よりまして重要なものと言える。実は近年、これに関して大変深刻な問題がある。それは、日本人技術者の海外流出問題だ。日本のメーカーに所属していた技術者が、リストラやヘッドハンティングなどを契機に、韓国、台湾、中国を中心とした海外の企業に籍を移し、そこで業務をすることにより、それまで蓄積してきた様々な技術ノウハウを流出させているというのである。これでは、せっかく育成した人財を失うどころか、競争相手に利用されてしまう事態となり、状況としてはかなり深刻だ。
サムスンは、世界各国にR&Dのための研究所を設けている。同社ホームページでは、主な研究所14カ所が紹介されているが、日本国内には横浜研究所が存在する。
サムスンは中小型の有機ELパネルでは9割のシェアを持つと言われている(日本経済新聞参照)。以上のデータを踏まえると、このシェアの獲得を支えた裏側に、日本人技術者の貢献が大いにあったと考えられる。
退職組133人の一人ひとりについて、サムスンにおける出願の、最初の出願と最後の出願の出願日の間を在籍期間と考えるならば、その平均在籍期間は、2年6カ月ほどであった。実際の在籍期間はもう少し長いと思われるが、それにしても短い期間である。
経営者も、従業員も変わらなければならないはずだ。今こそ、「君、臣を使うに礼を以てし、臣、君に事(つか)うるに忠を以てす」(論語)の精神に注意が向けられるべきではないか。」
 「UP or OUT」を思い出した。