違法解雇

■「コーヒーブルース」(小路幸也著、実業之日本社、2012年)を読む。
 長かったが、楽しめた。しかし、登場人物の数が多く難儀した。最初、コーヒーショップのマスターが女性だとは気がつかなかった。読解力が落ちているんだろう。それにしても二つの事件がいっしょになるとは思わなかった。
 ところどころにコーヒーがアクセントになっていて、コーヒー好きな自分には好感がもてた。

■違法解雇「お金で解決」
日経新聞からの抜粋である。
不動産会社に勤めていた40歳代前半の男性Aさんはあるとき突然、業績改善が計画通りに進んでいないとして、会社から能力不足を理由に2カ月後には解雇すると言い渡された。説明には納得できなかったが、幸い転職先が見つかったため、解雇前に自ら退職した。弁護士を通じて会社の不当な対応への慰謝料や未払い残業代の支払いを求めて会社と交渉。会社側が800万円を支払うことで合意したという。
現状では、解雇無効の判決が出れば、会社は社員を復職させなければならない。だが、復職は「会社、社員の双方に不都合が生じる場合がある」との指摘が目立つ。会社は社員を復帰させて給料を支払わなければならないが、元の仕事に就かせる義務はない。社員側にも会社に対して就労させるよう求める権利は認められていないと日本では考えられている。そのため、何も仕事がない状態に置いても法的にはすぐに問題とはならないという。トラブルが起きる前の状況に戻して仕事をするのはかなり難しい。
政府の産業競争力会議や規制改革会議でも、経営者や有識者が、(1)あらかじめ再就職支援金を払えば解雇を有効とする「事前型」(2)解雇は不当で無効だが、補償金を支払って雇用契約を終える「事後型」――という解決制度を提案した。事前型は「いわば慰謝料さえ渡せば解雇してもいいのか」や「解雇を助長しかねない」といった批判が強く、海外でも採り入れている国もないため、安倍晋三首相も導入議論を否定した。