狙い撃ち社員

■狙い撃ち社員
週間ダイヤモンドからの抜粋である。
「会社が親を使い、息子や娘である社員が退職するように仕向けることもあった。たとえば、人事部が親に連絡を入れる。そして「『会社に残っても居場所がないから早く辞めるべき』と、お子さんに説得してほしい」と言ったようだ。
人事部が興信所を使って(①)、会社と争う社員を調べる場合がある
退職勧奨や強要では、その社員のキャリアや人格などを否定し、プライドを傷つける。当然、争う意欲を削ぐようには考えていると思う。退職勧奨の場で聞くわかりやすい言葉が、「ここに残っても、あなたの仕事はないよ」。これを繰り返し言うことで、自尊心を傷つける。
確かに彼らは、管理する側ですね(苦笑)。ただ、いったん辞めさせると決めたら、それを遂行するのも「管理」かもしれない。特に中堅・大企業ならば、退職勧奨は組織として行う。役員も人事部も、いわば公認。退職勧奨する上司には、罪の意識はないでしょう。
私が相談を受けたケースでも、殴られた30代の男性社員がいた。上司がワンマンであったり、徒弟制的な仕事のやり方をする職場で見かける光景だ。モノをぶつける上司もいれば、蹴る上司もいた。
大企業の場合は、配置転換で意にそぐわない社員を追い出すことができる。これで一定の「浄化作用」が働く。
土壇場では、解雇にすることなく辞表を書くように仕向けると思う。自主退職に追い詰めたほうがお金もかからず、メリットが大きい。どうしても辞めない人には解雇通知を出すこともあるだろうが、その可能性は低い。むしろ、今の退職強要に近い勧奨を繰り返していくと思う。そのスピードを上げるための補強材料として、解雇規制の緩和を求めているのではないか。
何らかの報復をする可能性が高い
 多いのは、配置転換。次に目立つのは、人事評価で低い評価をつけ、賞与を減らしたり、残業をさせないようにする。その後は、職場の社員らがいじめをしたり、口をきくことなく、相手にしないようにさせる
会社が何ら規制や反対を受けることなく、やりたい放題に社員を動かし、スムーズに労働契約を解除していくことを意味する。その本音をカモフラージュするために、「個人の時代」「プロフェッショナル」といった言葉が囁かれる。」