定年前OB

■定年前OB
週間ダイヤモンドからの引用である。
「50歳代のサラリーマンで明確なキャリアビジョンを描いている人は、全体の2割ぐらいと意外と少ない」。
実際のところ、自分のプロフェッショナルな専門領域を意識し、社外でも通用する高度なマネジメント力やスキルを持っている人は、限られた職種のほんの一握りに過ぎないのだ。
 よくあるケースは、“定年前のOB化”現象だ。定年が近づいてくると、まだ現役の管理者なのに、仕事への意欲や関心が一気に低下。どんな仕事も億劫になり、できるだけ波風立てずに“残りの会社人生”を送ろうとする。
 定年まであと3年となった、ある行政機関の所長の話。ここにきて日常の当たり障りのない決済業務だけをやって、面倒な折衝や新しい仕事はほとんど部下に振るようになった。「キミ、これ1回経験しておいたほうがいいよ」が、お決まりの逃げ口上だ。
  「一つのヒントは、自分の経験や専門能力を上手に会社で生かし続けることです。一線を退いた後も自分の意図する働き方で、クオリティの高い現場仕事ができれば、ベテランの存在感を示すことができ、肩書きや地位の向上、昇給とはまた違った満足感が得られるでしょう。
そこで、現役の管理職のうちにやっておきたいのが、二足、いいえ三足のわらじを履くこと。常に頭と手足を管理と現場の両方で使うようにする。現場での経験学習の機会を増やし、自分の専門知識を実践的に活用して、能力・スキルの陳腐化を防ぐ努力が必要です。
管理職という、いずれ返上しなければならない肩書きにいつまでも固執せず、この領域だったら肩書きナシでもやれるという、自分固有の専門能力を磨いていくわけです」