会社の自殺

■「私はなぜ80歳でエベレストを目指すのか」(三浦雄一郎著、小学館101新書、2013年)を読む。
 まだ、登頂を成功する前に書かれた本であった。結果を知っているから余計に感動する。
「私が明るくポジティブな理由は、目標があるからです。」
「冒険は、辛い記憶を薄め新しい目標に向かう助けとなる」
「試験だけ、勉強だけ、受験だけが世界ではないのだ。」
「自発的に「勉強しよう」という気持ちがあるかどうかだ。」
「ハングリーであれ、愚かであれ」(スティーブ・ジョブス
「心が辛かったり、苦しかったりすることは、必ず将来の役に立つ。」
「アフリカの王」(伊集院静著、講談社文庫)
アンチエイジングしたければ、まず心から」
「ダイエットや体質改善に取り組みたいなら、必ず運動を取り入れることだ。」
「探求一筋」

■会社の自殺
日経ビジネスからの抜粋である。
総務省が8月13日に公表した労働力調査の結果によると、今年4〜6月期平均の非正規労働者数は前年同期比106万人増の1881万人で、統計を取り始めた2002年以降で最多。雇用者総数は過去4番目の水準に増えたが、正社員雇用は53万人減った。
 同じく総務省が7月に発表した「平成24年(2012年)就業構造基本調査」の結果によれば、非正規社員の比率は、38.2%と過去最大を更新し、20年でほぼ倍増していた。
いいサービスをするには、高いところでお食事をして、高いものを食べなきゃダメ
一社員として、社員1人ひとりの力を引き出して、一丸となって戦える集団でいなきゃ会社はつぶれます。
 その個人が置かれた環境が、態度や行動を創り出す。
 近代資本主義を擁護する人も批判する人も、職務が人を作るという点では意見が一致している。アダム・スミスカール・マルクスも、仕事での経験が人間の態度や行動を形作っていることを認識している。もしも、職務が人を創りだすとするなら、企業は現代の人間の生産者である
かつての日本では、「働く」ことは、会社で働くことを意味し、それは「会社という集団の一員」になることだった。集団就職という言葉なども、「働く=会社の一員となる」という方程式が当たり前だったから生まれた言葉だ。
 だが、非正規雇用が多くなった今、「働く=社会で働く」という意味に変わった。それは決して、会社で働くこととは、同一ではない。
競争社会で生き残るには、「協働」は疑う余地もなく必須のものとなっている。それを否定するトップはいないはずだ。個人の力を最大限に発揮して、チームで戦うのだと。そして、そのためには「明確なビジョンを示す」など大きな羅針盤が必要だと考える。
非正規社員という雇用形態を取れば、人件費が削減され目に見えるコストカットがもたらされる。しかし、実はそこで企業は “目に見えない力”を育む土壌を自らの手で壊しているのだ。かなり言い過ぎかもしれないけれども、それは「企業の自殺」だ。」