アドラー

■「解雇改革」(大内伸哉著、中央経済社、2013年)を読む。
 今、ホットなテーマである。新聞雑誌などで知っている内容よりも複雑で濃いことが分かった。何事も未熟な知識で判断してはいけないと教えられたようだ。
民法627条1項は、『当事者が雇用の期間を定めなかった時は、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。』」
「客観的に合理的な理由」「社会通念上の相当性」
「解雇は、企業の能力の育成ミスの責任を、労働者に転嫁するという面がある」
「中小企業では、解雇を回避する、という規範意識をもっているとしても、実際には終身雇用は実現していないのである。」
雇用調整助成金の功罪」
「関係の清算は、言われた方に傷が残る。」

アドラー
週間ダイヤモンドからの抜粋である。
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」
「20世紀の初頭、そんなことを唱えはじめた心理学者がいました。欧米でいまなお絶大な支持を誇り、フロイトユングと並ぶ「心理学界の三大巨頭」と称されるオーストリア出身の精神科医、アルフレッド・アドラーです。
「世界」を変えるのは、他の誰でもない「わたし」である。
いまや日常語になった感さえある「トラウマ」という言葉、そこから受ける影響を、アドラー心理学では明確に否定します。トラウマなどない。われわれは過去の経験に「どのような意味を与えるか」によって、自らの生を決定している。それがアドラーの主張であり、目的論です。
アドラー的な目的論は、責任転嫁を許しません。「こんな自分」を選んだのは他ならぬ自分であり、なんらかの目的――たとえば努力をしたくないとか、失敗して恥をかきたくないとか、「やればできる」という可能性を残しておきたいとか――をかなえるために「こんな自分」であり続けている、と考えるのが目的論だからです。正面から受け止めるには、かなりの時間と勇気とを必要とする議論でしょう。
しかし、こう考えてください。アドラーの目的論は「これまでの人生になにがあったとしても、今後の人生をどう生きるかについてなんの影響もない」といっているのです。過去など存在しないし、トラウマも存在しない。あなたは「いま」、ここで自分の人生を選ぶことができるのだと。」