集団リンチ

■創作

 ◎穏やかな光を浴びて春霞      禅智

   天気予報に太陽マークひとつ。玄関を出ると春特有のあたたかい穏やかな日差し
が目に飛び込んでくる。風も微風で心地よい。山は見えるかと顔を向けたが、山は
  かすみが掛って、山の端がうっすら見えるだけであった。
   この春霞の正体が、雪解けの水蒸気であればいいが、大陸からの黄砂だったら幻
  滅である。
   こういう日は、いつもより歩みを遅くして、光を浴びる時間を増やしたいもの
  だ。

■集団リンチ
週間ダイヤモンドからの抜粋である。
「言葉の暴力」に始まり、公衆の面前で踊らされる「罰ゲーム」、さらに「なぜ攻撃」と言われる詰問が毎日繰り広げられるという。これは行き過ぎた「パワハラ」の類である。それでも男性は笑い、踊り、平気なふりをして出社する。いつかは、このリンチが終わると思い込んでいる。
 筆者には、会社には世代や性別を越えて、働き手の正常な感覚を破壊する何かがあるように思えてならない。そのような視点から男性の話を聞き、職場に根付く課題を筆者なりに炙り出したい。
  「リーダーが僕をいじると、その間は他の部員は自分の身が守られる。だから、リーダーにけしかけて、僕に攻撃をさせるようにする。リーダーはそれに応じる。皆が僕をばかにして、1つにまとまる。中学生などがするいじめと、同じ構造」
 『なぜ、俺の言った通りにしないのか』と詰問する。なぜ、なぜ、と責められると嫌になる。 「答えろ!」「お前が責任を取れ!」「なぜ、答えない!」……。