限りなく透明

■限りなく透明
 今日は家人が休みの土曜日でめったにない。おまけにいい天気である。今月上旬に実施した中部北陸自然歩道の魚津の続きをやるには絶好のチャンスであった。
 しかし、家人の「タイヤ交換しておいて」の一言で中止になってしまった。
 それならと今朝は早起きして散歩することにした。ハクモクレンのつぼみが開花間近で、その隣に桜が咲いている。


 朝食を食べようとファミレスに入る。朝早くやっているところは、24時間営業のファミレスしかない。ここで、しばし読書タイムである。モーニングはドリンクバーがセットである。図書館が開館するまで読みふける。今読んでいる本は抱腹絶倒で、笑いをこらえながらであった。ドリンクはコーラに続いて緑茶を入れた、が、出て来たのは水であった。これが緑茶に見えるか?「限りなく透明に近いブルー」という小説があったが、これは「限りなく透明に近い緑茶」である。

 あざみ通りから大田口通りを進んだ。ところが、第一銀行の前で突然「めまい」がして、銀行の前に座り込み、治まるまでしばらくうつむく。やはり、体内で何かが起きているようだ。信号が青になったので、向かうと渡ろうとする間際で点滅してしまう。信号のそばで座ってしまった。
 図書館へは早く着き過ぎたので公園をぶらり。椿の木があり花を付けている。

 若いころ椿はあまり好きではなかった。花ごとボトリと落ちる様がギロチンやクビを連想させるからであった。この歳になると見方が違う。ズバッとしてすっきりしていいのではないか。何の未練も残さず次へ向かうことを連想させる。

 椿見て明日は我が身となぞらえり    禅智

 松川からいたち川へのルートは何度も通っているので、今日は赤江川沿いに進むことにした。稲荷公園に出る予定であった。途中いい匂いがする。沈丁花である。

 川沿いはいい。何人もの方が散歩を楽しんでおられた。
 進行方向に満開の桜が見える。ここは廃墟の前に咲いていたし、名前の知らない鳥が止まっている。主は去っても花は繰り返す・・・・か、少し寂しい気持ちになる。
 
 さらに進む。奥田中学校に着いた。カラスではない鳥がいる。たぶんトビではなかろうかと近くまで行くがすぐに飛んで行く。2羽いたのでつがいだろう。グランドで2羽がそろったのですかさずシャッターをきる。小さくてみえないなあ。

 4時間ほどと少し長い散歩になったが、あまりにも気持ちいいからである。
 帰り道、以前職場にいて退職してしまった女の子の家の前を通るが、表札は外され電力計も止まっていた。快活な明るい子だったので元気でいて欲しいと願う。
 帰宅後、タイヤ交換を行い、家人の買物に付き合う。「お昼何が食べたい?」と聞くので、隣に中華料理屋とまた隣のカレー屋さんで二人外食する光景を頭に描いて、中華料理かカレーウドンと応えた。まもなく買物籠の中に、冷凍のカレーウドンと中華丼の具が入った。