チューリップ

■創作

◎あぜ道にひっそりひとつチューリップ   禅智

 今日も快晴だ。日向は汗ばむくらいである。田圃も田起こしが始まったようだ。歩道と田圃の間のあぜ道に小さく赤いチューリップが一本咲いている。
 チューリップといえば、何本も集団で咲いているという固定観念があったが、このように一本だけ場違いのようにひっそりと咲いている。
 ちょうど歩道の陰になって日光が当たりにくいためか、小さい。でも、しっかり立っている。
 その佇まいに自分の姿を見たような気がして、しばらく立ち停まった。

■「さがしものが見つかりません!」(秋山浩司著、ポプラ社、2013年)を読む。
 久しぶりに学園小説である。学生会を舞台にいろいろな展開が合って面白かった。きれいな人に声を掛けられた時は要注意であることが最高である。
「今日び一体どうして携帯電話を持っていない人間が生きていけるのかと、不思議に思う。」
「誰かを裏切る者は、『自分も誰かに裏切られるかもしれない』ということを常に念頭に置いておかなければならない」
「人間は一人で生きていても楽しくない。」