うろこ雲

■創作

◎鱗雲天の湖面に凪が立つ  禅智

 風邪の強い日であった。街路樹のハナミズキも終わってしまったようだ。庭木はつつじが満開か。今日は、山の稜線がはっきり見える。そのついでの空を見上げると、うろこ雲が出来ていた。昔は雲と天候の関係を知っていたような気がしたが忘れてしまった。そのうろこ雲の中にぽっかりと青空が見えている。天空の湖のように見える。凪は静かなことと言う意味であるが、小さなうろこ雲がさざ波よりも小さな波を立てているように感じた。

■「夢も定かに」(澤田瞳子著、中央公論新社、2013年)を読む。
 時代劇というか、昔の話でありやたらと難しい漢字が多く閉口した。女性の立場から見ており、筋もだいたいわかったものの、漢字が多く捗らなかった。昔、学校で習った人の名前も登場し、歴史をあまり勉強しなかったことを思い出す。勉強こそ最大の娯楽である。