今世紀最高の書物

■秋の雲
◎秋雲に己の未来なぞるなり
 朝からどんよりと曇った鉛色の空であった。今にもひと雨来そうな気配が漂う。風も適当に吹いてくれて歩く分にはありがたかった。風を受けていると秋の深まりを感じる。
 もう定年まで2年を切っている。実質は1年ほどだろうと考えている。定年後の生活はどうなるのかなどと考えながら空を見る。朝の空が暗示しているようだった。
 昼には雨が降っていたが帰宅の20時ごろには上がっていた。こういう天気が一番いい。
 帰宅後、広報と週末のイベントプログラムと回覧板がケースに入っている。週末に配ろう決めていたが、まだ月曜日である。早起きして雨の降っていない朝に配るしかない。

■「死にたい老人」(木谷恭介著、幻冬舎新書、2011年)を読む。
 断食死を目指して3回。その経過をつぶさに記録したもの。今世紀最高の書物ではないかと思う。何かの書物で紹介されていたので、書店で購入した。
「ぼくは『断食』をはじめることにしています。ダイエットのためではありません。死ぬためです。」
「断食で全身からエネルギーを落とし、枯れるように死んで行こう。そう『断食安楽死』をしよう。〜日本の法律は安楽死を認めていません。〜関わった人は『自殺幇助』になります。〜ですから、僕は協力者なしに、ひとりで安楽死をおこなわなければなりません。」
「『プチ断食』をすすめるのは、商売とするものか、忍耐を美徳とした古い倫理観に根ざした思い込みではないか。」
「テレビ番組に『食』に関するものが多いのには閉口する。食べることは『本能』なのだと、つくづく感じる。」
医学書では死が近づくと、激しい頭痛に見舞われるとか。」
「『ほとんど食べずに生きる人』は超低カロリーの小食のほうが、からだによいことを1年がかりで実験した検証記録だが、ぼくはその考え方に賛成できない。」
「人生にピリオドをうつための『断食』」
「体重が45kgを切ると、足腰がきかなくなる」
「ネットには水さえ飲んでいれば1年だって生きられるという書き込みがあったが、やはり、40日ぐらいがいいところではないか。」
「何十万人という被災者が『生きるために必死の努力』をしているのに、ぼくは『生きることを放棄する』ために苦闘している。」
「『断食』という穏やかな方法で死ぬことができないか、実験している。」
「『死ぬときに人はどうなる10の質問』(大津秀一著、致知出版社)」
「人間は寿命に従順であるべきだ」(司馬遼太郎
「『死』を決意するのには、意思が必要だ。気力が伴わなければできない。」
「1回目はおこなわずして挫折。2回目は38日、断食しながら、あと一歩のところで挫折、3回目は9日目で挫折。」
「それにしても、死ぬことの難しさよ。〜180日かけて、死ぬことができなかった。」
「人間、死ねば「無」に帰るのだ。」
老兵は死なずただ消え去るのみ」(マッカーサー