■柿
◎柿の木を切り倒しては記憶消え   禅智
 裏庭に柿の木が3本あった。この内1本は、母親が元気だったとき、畑を作りたいということで幹の部分は切って、その切った幹をテコの要領で根っ子をえぐるように取った。
 2本目は、先週妹が来て、もう食べないのだからという理由で1mほど残して切ってしまった。前の週には成っている柿をほとんど落とし、スーパーの袋で6袋も作っていた。
 母親が入院している病院や弟の家や近所に配るのだそうだ。
 昔から人が死ぬと側に木を植えると聞いたことがある。木には魂が宿るのだろうか。切り倒した柿の木を見て、50年以上も前に今は亡き父親が得意満面な顔で植えていたことを思い出した。きっと家族に新鮮な柿を食べさせたかったのだろう。この懐かしかった父親の顔が薄くなっていくように感じた。

■「森のきのこたち」(柴田 尚著、八坂書房、2006年)を読む。
 花や木だけでは駄目なのできのこについても基本的なことを知ろうと手に取った。
「観察して、記録して、整理する」
「きのこを通して自然を見る」
「自然界では、〜枯れ木や落ち葉などを分解して最後には土に返すという物質循環の一部を担っています。」