重症

■重症
 今日は土曜出勤の日であったが、検査のために一日欠勤にした。通常は半日にするのだが先生に、どのくらいかかるかわからないと言われていたので、欠勤にした。
 この検査、特殊なのか数ヶ月前からの予約である。朝シャワーを浴びて病院まで歩く。入館の順序を示すカードは5番目であったが、待っていると直ぐに名前が呼ばれた。特殊な検査なので別の病院から来ていると聞いていた。若い看護師さんに手招きされて、体重と身長を測定してもらう。この人の前で醜い裸体を晒すのかと心配していたが、測定する方が別の医者であった。
 電磁式膜厚測定器を大きくしたようなセンサーを心臓の一点に当てる。そこは、日々うづいている場所であった。肋間神経痛の場所をピンポイントで当てられた。これには、参った。思わず「うっ!」と声が出たが、聞こえなかったようだ。
 例えば、カサブタの取れた場所を針で付くような感じである。それも長い、1時間近く検査をされた。
 反対側を向け言われていたが、自然に画面の方に目が行く。自分の心臓が動いているのが分かる。そして、ところどころ止めてスローにしたりコマ送りして写真を撮って出力している。
 いやな予感は的中したようだ。問題なければこんなに長いはずはない。終わった時に、悪い場所がありましたか?と聞いたら、大きく首を縦に振られた。
 待合室で死刑宣告を受けるように待つ。やたらに喉が渇く。いよいよ運命の瞬間である。
 診察室に入っていくと、写真が30枚以上撮ってあり、その中の数枚を手にしながら「重症です」と宣言された。
 11時を過ぎており、薬局に寄ったりすれば昼になる。雨が降っていたので、コーヒーショップで放心状態であった。コーヒーも残し、何をする訳でもなく、これからのことを考えようと務めたが何も出ず。一日欠勤にして良かったと思いつつも、来週から仕事に付けるかと不安もあり、悶々と時間が過ぎていく。
 しかし、考えようによっては、老後のことを考えなくてもいいかもしれないので、長生きリスクからは解放されそうだ。これも運命と思って向き合って行くしかないと腹をくくり、半ばやけになっていたのか、遅い昼飯は禁止されているラーメンの大盛りにした。
 私の父親は、同じ病名で30代で病死している。

 シジュウカラかと思って撮影したが、頭が白いのでコガラかも知れない。