剪定実習

■剪定実習
 午前中は脚立の扱い方の講義であった。そんなもの今更という気で聞き始めたが自分の知らないことが多く、やはり自己流は駄目だということだ。
 まず、なぜ三脚かということから始まる。四脚の方が安定性がいいように思うが、それは室内のような平面での話である。樹の植わっている場所は水平ではない、そのため三脚を使うのであった。いろんな事故例を挙げての3時間の講義は驚きの連続であった。
 中でも、例えば5段の脚立の場合は3段までしか登ってはいけない。まして、天板も禁止、またぐのも禁止であった。それぞれ大きな事故が起きているという。
 午後からは剪定実習である。私を除く他の生徒は待ってましたとばかりに大張り切りであった。
 雨の中、雨具に長靴で松の古葉もみを行う。最初は先生がやり方と注意点を丁寧に説明し、その後二人で1本の松を受け持つ。三脚も3m越えを使う。
 まず、古葉(去年の葉)と新葉を区別できなければならない。また、芽を残すようにするが5個以上になると2個までに剪定する。ふところ枝は残す。松ぼっくりは剪定する・・・・・・。
 実務経験者も多くおり手早く仕上げていたが、私は脚立の上に立つだけでも疲労感があり、早く終わらないかと考えながらであった。
 先生が一人ひとり見回り意見を述べる。生徒からこの芽はどうしましょう、この枝は切ったほうがいいか残すべきかという質問に丁寧に答えておられた。
 本来であればこの時期に剪定はしないが、学校なのでやっている。
 自分のところに来た。『ここ古葉が残っていますね。集中してなめるように作業しなければなりません。』と注意を受けた。
 2時間が終わったところで、もうやる気がしない。皆は、もっとしたいということを話している。
 『ここまでやって続いている人は向いている人です』という。自分は向いていないということを認識させられた日であった。汗もかいたし疲れも出た。
 週明けも続きを行う。