谷川岳

谷川岳
 少し前、知人のTさんから谷川岳登山のお誘いメールが届いた時は『まじか?』と思った。この山はロッククライマーの聖地で世界で一番遭難が多い山として知られていたからだ。
 しかし、いろいろ調べてみると登頂だけなら初心者向けと分かった。ルートを確認すると「おやじ登山」という。これは、ロープウエイやリフトで行ける所まで行き、そこから登る登山ということであった。地図で確認すると、ロープウエイ終点の天神平から熊穴沢避難小屋まではなだらかで、そこから天狗のたまり場までは、等高線が蜜になっており登山道は垂直に切られている。そこから頂上までも等高線はやや広いがと登山道が垂直に交わっている。
 朝5時50分、白い外車が玄関前に止まった。ちょうど、新幹線通学している子供の送りと重なり、家人より来たことが告げられる。
 知人のTさんと、タッカシーさんに迎えに来ていただいた。乗車後すぐに二人は朝食ということでコンビニに入る。自分は朝食が済んでいたので、運転は自分がすることにした。なんてったってマニュアルの外車である。ワイパーとウインカーが左右逆になっているとのこと。二人を乗せてバックしようとするが動かない。クラッチを踏んでいなかった。ここから、何回かウインカーとワイパーを間違える。
 最初の休憩場所のSAで交代する。
 ロープウエイの終点の天神平に着いたのが10時55分であった。最終は17時である。コースタイムは5時間15分である。ということは、45分間の余裕しかない。自分はコースタイムでは登れないことは先刻承知している。そのときは、行けるところまでと覚悟を決める。
 熊穴沢避難小屋までは問題なく来れたが、天候は霧で視界が数十メートルしかない。ここから、たまり場までは65分のコースタイムで13時までに着かなければ登頂は無理と決める。アミノバイタルとグローブをして歩く。直ぐにロープ場、鎖場が連続する。私の心臓はバクバクでもう無理はできない。ここで、二人を先に行かせる。休み休み心臓の鼓動と相談しながら這いつくばって登る。駄目かもしれないと気持ちが濃厚に出てくる。天狗のたまり場で時計を確認すると12時45分であった。コースタイムより10分速い。しかも、そこからはなだらかな勾配である。
 これに気を良くしたが、帰りのロープウエイに間に合わせるには14時に頂上を出なければ無理だろうと、時計とにらめっこしながらの歩きになった。
 疲れが高じると下山する人に後何分と聞きまくる。視界が効かないので不安が走る。
 13時30分に登頂した。先行の二人は昼ごはんを食べている。ちょうど10分遅れであった。遅れた者に昼食の時間はない。急ぎ集合写真を撮る。

 下山後は、宿に泊まって祝杯である。知人のTさんプロデュースの場合は、値段が安くて料理が豪華なところが多い。そして、温泉である。
 久しぶりに豪華な食事であった。ご飯は、マツタケご飯である。

 こんなうまいビールは久しぶりであった。つい度を越して飲んでしまった。
 朝食も豪華で2杯お代わりする。
 そして、出発前に記念写真である。

 今までは、満点であった。後は温泉である。野沢温泉に寄って来たが入浴料が無料である。しかし、熱い。湯船が2つあり、手前のが熱すぎるので奥のに入ろうとしたら、「あつ湯」の標識が出ている。そこに「主」のような人が座っており、ぬる湯で48℃、あつ湯で55℃という、入れるもんなら入ってみろ、と構えている。一分ほど2回やっとの思いで浸かったが、体からは汗が出ていつまでも火照りは消えなかった。
 今回は、知人のTさんの綿密な下調べで最高の登山になった。感謝したい。また、タッカシーさんは、最初から最後まで運転していただき、これも感謝したい。
 詳しい記録は後日まとめる予定である。