アカマツ

アカマツ
 今日は朝からマツの剪定である。クロマツの2本目で大失敗をやってしまった。私がハサミを入れたとたん、遠くから先生の声で「駄目!切り過ぎ!」と聞こえ、飛んで来られた。失敗の原因は一方向からしか見ていなかったからである。先生に言われて別の方向から見ると、穴が開いている。先生は、修正しますとパチパチと周りの枝を切り見栄え良くして終わった。その場合でも4人が周りから見て先生に見た目を言うことをやった。
 さて、続いてアカマツである。このアカマツの樹高は5m以上ある。3mの脚立では頂上まで届かない。悩んでいると枝伝いに登って上半身を最上部から出してくださいという。え!木登り? 枝が折れたらどうするんですかという質問の答えは、保険に入っているし、マツはポキッとは折れずじわじわ折れるのでその間に別の枝に移動させればいいとのこと。
 私は恐る恐る枝の基に足を掛け、次々と木登りの要領で枝に足を掛け、ついに天辺から上半身が出た。さらに、都合がいいことに、お尻に枝があるので座りながら剪定作業ができる。しかし、高度感はすさまじい。安全帯のカラビナを幹にはめる。
 作業を初めてから気が付いたが、マツカレハの幼虫が何十匹といる。アカマツの葉は柔らかいのでたくさん集まるのだろう。最初は、指で飛ばしていた。指で飛ばすと向こうの枝にピタッと止まる幼虫がいた。「王者の着地」と言ってほめてやった。
 しかし、指で飛ばしながらでは作業ができないので殺虫剤を噴霧することにして下に降りる。スプレー式なのでピンポイントでもできるが、数が多いので木全体に噴霧した。降りるときに不自然な姿勢になるので足がこむら返りになりそうになった。
 再度上へ登ると、ポタポタと幼虫が落ちてくる。首筋にも入ったような気のせいのような感じもする。
 まったく、マツの剪定はお金をもらってもやるべきではないという気持ちはだんだん強くなってくる。他のメンバーは逆でイキイキと作業をしているではないか。マツの剪定技術習得が入学理由という人に聞いたら、人から頼まれるのはマツが多いという。そうかぁ!

■「おなかがすいたハラペコだ。」(椎名 誠著、新日本出版社、2015年)を読む。
「辺境旅は、筆記用具もボールペン五本よりも簡易シャープペンシル一本と替えの芯十本を選ぶ。」
「羊羹という文字〜羊という文字が上にも下にもある」
「羊を大きくすると美なのである。」
「シャケの皮を残すな〜シャケにはここにすべて栄養とうまみがある。」
「キャンプには天ぷらがいい」
「酒田は知る人ぞ知るワンタンメンの聖地なのである。」