五階建て

■五階建て
 朝5時20分に東京から戻る。朝は霧が深かった。今日の予定をスマホに入れてあるが、5つ入っている。まるで五階建てのようである。
 まず最初は、9時半のねいの里である。朝家人を送った足で入る。機関紙の発送である。今回は、生まれて初めて自分が編集した。編集部の方に途中で拾ってもらい時間には間に合った。機関紙の印刷、折り畳み、封書の中に入れる書類など手分けして行う。自分の予定では午前中いっぱいかかると見ていたが、早めに終わった。ここで、何人かでバードウォッチングポイントに連れて行ってもらう。
 ミツバとワラビも採り、ミツバは胡麻和えにした。

 あれやこれやで予定を全て消化し、一息入れれたのは、15時過ぎであった。
 何日かぶりでコーヒーショップでくつろぐことが出来た。

■東京編
 思えば、50歳になったばかりのころ、きっかけは忘れたが、登山をやり出し、登山関係の本も貪るように読んでいくにしたがって、山の持つ効果や魅力にハマった。
 しかし、植物は分からず、野鳥は分からずとなんとか少しでも分かるようになりたいと思っていると、自然解説員などを知るようになった。その後、野鳥関係の団体にも入会させてもらい日夜刺激を受けている。
 何年か経ってふり返ってみると、自分が知りたいと思っていたことのギャップを感じるようになる。簡潔に表現すると、山道を歩いていて、目に入るモノを全て分かりたいということである。
 そして、5年ほど前に自分が望むことに近い講習会を知ったが、平日に食い込むので諦めであった。リタイヤした今こそチャンスと大枚はたいて申し込んだ。
 この研修は、簡潔に表現すると、森林の生態を理解する内容であった。
 具体的には、樹木、花、土壌、気候、法令、哺乳類、鳥類、昆虫、きのこなどの生態を体系的に学ぶことである。
 全体で8日間あり今回は3日間であった。
 全国、北は青森で南は沖縄から山好きな男女59名が集まった。女性は15名である。研修の内容は濃く、眠っている人は誰もいない。試験もある。この試験は、記述論述式が多く、穴埋めもあるが、語群から選ぶのではなく、空白をキーワードで埋めるのである。
 例えば、樹木では、組合せの樹種の違いを述べよとして、ムクノキとエノキ、ムラサキシキブとヤブムラサキなど何組かの中から3組選んで記述する。
 野鳥では、日本で見られる野鳥の生息区分ごとの説明と該当する種を入れよ。
 ホテルは1万円以下のところに泊まった。今のホテルは朝食無料である。
 なんと、和食のバイキンギ方式で食べ過ぎになった。

 最後の日には、実習である。高尾山に集合して、樹種の解説を受けながら進む。
 流石に、名前だけの解説ではない。区別方法や使い方などは入る。これが解説活動だと思った。

 約60種の説明を受けた後に15種について試験を行う。
 残念ながらというか、今の実力の通り6割しか合っていなかった。最高は14問正解の人がいた。参加者もつわものぞろいである。出題もひねってある。刺の無いヒイラギなど誰が分かろうか。
 変わったラーメンを食べた。スマホで検索するというつまらない方法は採用せず、自分の足で歩き、店構えを自分の感性で判断しながら物色する。地下にある店であったが満足であった。

 第一回目を終えて見て、自分が欲していた内容に近い。残り2回あるが、なんとかついて行きたい。