風邪

■「草枕」(夏目漱石著、岩波書店、昭和41年)を読む。
 最近読んだ本に『草枕』に描かれている高等遊民なることがらが数冊紹介されており、原書で読むことにした。
 中学生の時のA君はこの全集を全巻読んだと豪語していたことを思い出す。
 よく引き合いに出される言葉に『智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。』というのがあり、好きなことばの一つである。
 最初の『山路を登りながら、かう考へた。』で彼は山歩きをしていたときの話だと分かる。
 文中に時たま俳句がちりばめてあり、これがいい味を出している。全ての漢字にルビがふってあったが、これがないとほとんど読めないであろう。
 混浴シーンは「ウ〜ン、文学だなあ。」と感じた。このような表現は現代作家では読むことはできない。主人公は湯治に来ていることは理解出来た。これが、高等遊民と言われる所以なのか。他の書籍でよく引用されているようだが、何か違うようだ。やはり、原書を丁寧に読むことが大事だということが分かって良かった。

■風邪
 馬鹿は風邪をひかないと言われているのに、朝から頭痛、鼻水、くしゃみと風邪の諸症状があらわれた。どうやら馬鹿ではないようだ。ん?『あんた、ダラけ?』という声が聞こえたような空耳のような・・・。我慢がならないので薬を飲んで通勤した。昨日、単独行者を読みその感想と挿絵がないということが残念ということを出版社にメールしたところ、編集者の方と、挿絵の画家の先生からメールをいただいた。(昨日のコメント欄参照)しかし、自分のホームページをどうやって見つけたのだろうか?不思議であるが、あえて詮索はしないことにした。