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■「渓をわたる風」(高桑信一著、平凡社、2004年)を読む。
 著者には、よく一緒に同行してくれた女性がいた。その彼女が亡くなり、彼女の夫との追悼旅。仲間との思い出には、心が詰まった。写真が豊富で、生前の彼女の微笑みが涙を誘う。単なる、沢渡記ではないところがいい。山では恋愛感情などは生じない。自分だけかと思っていたら、そういうものらしい。確かに生死がかかっているのである。男も女もない。男女いっしょに混浴に入るシーンもあったが、全くいやらしくは感じなかった。
 家人も独身時代に男女での混浴経験があると言っていた。
 息子二人との沢渡は羨ましかった。家の子らも父親と山へ行くのだろうか。
 この人も文明の利器を持たずに行う山行がいいと言っている。米味噌だけの山行が最高であるとのこと。ほとんどの章に出てくる釣りシーンでの岩魚、山菜、キノコとこれだけに知識があれば可能であろう。憧れる人だ。

■メール
 月曜日、職場の椅子に座り、メールチェックをしたら何と23件も届いているではないか。正直驚いた。これを処理するだけで1時間はかかった。パソコンが一人1台になって会話が少なくなったような気がしている。喧々諤々と議論して自分の主張を展開するということが無くなった。今の若い人がかわいそうに思えてくるこのごろである。まあ、どっちがいい、悪いの話ではないが・・・。