夜の飛行機

■「西行 求道の境涯」(佐竹温知著、春秋社、2010年)を読む。
 最近読んだ本に多く引用してあった。断片的には知っているが、一度きちんと読もうと思っていた。名前しかしらなかったが、この本に紹介されている短歌を通して、どういう心の人かが分かる様なきがしている。純に山の自然や花々を愛した人だなあと思う。
 自分は知っている西行の歌は
『願はくは 花のしたにて 春死なん そのきさらぎの 望月の頃』
 だけであったが、その他に心に迫ってくる歌がたくさんあった。
 一つ挙げると、『ながれ出づる 涙に今日は 沈むとも 浮かばん末を なほ思はなん』
 堅ぐるしくなく、読んだ後にすがすがしい感じが残る。名著と言うべきだろう。

■夜の飛行機
 今日もいい天気だった。秋の青空は、なんかいい。夜になっても雲がかからず昨日見た月が同じ位置に浮いている。すこし、太ったようだ。もう何日かで自分の腹部のようになるのだろう。宵の明星ははるか東の空で、ランデブーは終わったようだ。じっと三日月をみていると飛行物体が落ちていくように飛んでくる。UFOか? マサカ。流れ星か? 隕石か? 外国の老朽化した人工衛星か? 昔「鳥だ、飛行機だ、いや月光仮面だ」という歌があった。(古ッ)
 飛行物体のお尻からは帯が流れている。たぶん飛行機雲だろう。それにしても、神秘的な天体ショーであった。