朝の散歩

■朝の散歩
 この時期の風は一番いい。一日中当たっていたい衝動にかられる。今日は完全に晴れ上がって汗ばむ陽気である。こんな日は少し早く家を出る。少し遠回りして小学校のグランドの方へ廻る。街路樹の白や赤が眩しく朝日に反射している。銀杏の若葉もかわいい。道端のチューリップが大きな花弁を広げ、つつじの白はペンキをぶちまけたようで目に痛いくらいだ。
 今日は出勤日である。職場までの毎朝の散歩である。
 いつもなら本を2冊持ち、少し疲れて公園のベンチで楽しい読書になったろう。
通りすがりに気の利いた喫茶店でもあろうものなら、飛び込んでいただろうに。