断絶の時代

■「人生、捨てたもんやない」(俵 萌子著、海流社、2009年)を読む。
 これが遺作だとは思わなかった。はしがきのところで、全ての女性に贈ると書いてあったが、男が読んでも新鮮であった。いや、理想的な生き様ではなかっただろうか。
 一年を3つ分け、東京での執筆活動、山へ入っての趣味の活動、残りが旅であった。印税で里山に家を立てて、それも建築家の父親デザインの家に住み、多くの友人を招いての生活は、すばらしい。お金の使い方が上手である。山を買って、小屋を立てて、ソローのような生活に憧れているが、現実はそう甘くないであろう。女性の自立ということがしっかり主張された本で、すがすがしい感じがあった。惜しくも、亡くなられたが最後まで夢に向かっていた姿は見習いたい。

■断絶の時代
 ここんとこ、新聞雑誌はもちろん、テレビもしっかり見ていないので世情に疎くなっている。
父:「AKBの『ゆびはら』という人が博多へ飛ばされたって?」
子:「ーーー」
父:「巨人の『ながの』選手がヒットを打ったらしいよ!」
子:「ーーー」
 自分の知らない世界で断絶の時代が来ようとしている予感がする。