入山税 導入検討の長野県

■「解雇最前線」(鈴木 剛著、旬報社、2012年)を読む。
 ほとんど知っている内容であった。
 『PIPは、達成不可能な過大な課題を業務命令として与える。』から始まる。
 パワハラの定義
① 身体的な攻撃・・・暴行・障害
② 精神的な攻撃・・・脅迫・名誉棄損・侮辱・暴言
③ 人間関係からの切り離し・・・無視
④ 過大な要求・・・・業務上明らかに不要なことを要求
⑤ 過小な要求・・・・仕事を与えないなど
⑥ 個の侵害・・・・・私的なことへ立ち入り
 PIPが生まれた背景には、財界の新自由主義的政策、つまり人件費を流動費としてとらえ、労働者を自己責任に基づく競争にさらしていこうという意思である。

■入山税 導入検討の長野県
毎日新聞からの引用である。
北アルプスや八ケ岳連峰を抱える長野県が、県内全域の登山者を対象にした「入山税」の導入を検討している。遭難者の救助や環境保全の費用を賄う狙いだが「特定の山にとどまらず、広大な地帯での徴収例は聞いたことがない」(総務省自治税務局企画課)。徴収方法や対象者の選定は難しく「山あり谷あり」の議論になりそうだ。
 ◇遭難者救助費の県民負担は…
 議論のきっかけは11年に県が実施した事業仕分け。県警の山岳遭難救助費用3457万円(10年度決算)と、民間救助活動への県と県警の負担金3888万円(同)に対し、仕分け人の県民らから「県外登山者の救助に県税が使われ、負担が大きい」「有償でもおかしくない」などの意見が相次いだ。11年の登山者数は約64万人だが、遭難者251人(227件)の8割以上が県外からだった。
 また、自然公園内の登山道の9割以上は管理者が不明確で「どこが整備費用を負担するのかはっきりしない」(県自然保護課)のが現状だ。トイレ建設費は平均約3700万円かかるため、3割の山小屋で未整備だ。
 阿部守一(しゅいち)知事は昨年12月、県地方税制研究会に入山税導入の検討を依頼した。座長の青木宗明・神奈川大教授(地方財政)は「山のコストはボランティアによる活動領域だった。『山の環境維持を誰が負担すべきか』と全国に先駆けて議論することは意義がある」と強調する。他自治体では、岐阜県乗鞍岳(のりくらだけ)に乗り入れる車両1台ごとに300〜3000円を徴収する「乗鞍環境保全税」を03年から実施。青森県は白神(しらかみ)山地で任意の協力金を求めている。静岡県川勝平太知事は先月、富士山の保全に向け入山料
の検討を表明した。
 ◇山域広大、徴収漏れ対策は…
 研究会は今秋までに中間報告をまとめる予定だが、ハードルは高い。長野県税務課は「山域は岐阜や富山など複数県にまたがり、登山口も無数。他県からの入山者への対応や徴収漏れを防ぐ対策などが必要だ」と話す。
 山関係者の意見も分かれる。長野県松本市の山岳ガイド、福田浩道さん(46)は「誰もが気持ちよく登れ、山の自然を守ろうと啓蒙(けいもう)するためにも入山税はあっていい」。北アルプスで山小屋を運営する小山義秀さん(44)は「日帰りのハイキングから本格登山まで楽しみ方はさまざま。一律に課税して良いのか」と疑問を投げかける。
 ◇環境保全費、登山者だけの負担では…
 「救助費用の徴収には賛成だが、環境保全は多くの人の利益につながる。登山者だけの税負担で良いのか。使途と目的が明確でなければ導入は難しいのでは」と指摘するのは日本山岳ガイド協会の磯野剛太理事長(59)だ。山歩きがライフワークのシンガー・ソングライターみなみらんぼうさんは「登山者が多くなり過ぎた山は、荒廃し泣いています。管理や整備を税でやるのか、まずは登山者の意識を高めることが大切なのかを煮詰めなければ。山と自然、そして人間にとって良い方向を考えて」と期待する。