読書の効果

■「とにかく散歩いたしましょう」(小川洋子著、毎日新聞社、2012年)を読む。
 エッセイである。これだけのものを書くための苦労が垣間見えた。
「小説を書き始める時はいつもこんな調子だ。私の頭に立派なテーマがまずあって、それを表現するのにふさわしい題材を探すのではなく、こちらの都合にはお構いなく、外から不意に何かが飛び込んでくる。」
「生きるってことは、平和なものじゃないんですよ。」
「世の中が便利になればなるほど、自分の居場所が小さくなってゆくように感じるのはなぜだろう。」
「そうだ、散歩すればいいのだ。」

■読書の効果
あるブログからの抜粋である。
「一つは、自分がこの世界についてほとんど何も知らないということがわかることではないでしょうか。もう一つは、結局うれしいことも悲しいことも、辛いことも希望も落胆も、すべて最後は言葉によってしか納得がもたらされないということがわかることです。
本を読めば人の気持ちがわかるなんて安易に言われていることはほとんどウソですし、たとえわかったとしても、そんなのはあっという間に変わります。」