解雇規制の緩和

■「医とまごころの道標」(森 亘著、東京大学出版会、2013年)を読む。
 医者で東大の総長も勤められた先生の生前に書かれた発表済み、未発表の文章をまとめた書物である。文章が格調高く読む時間がかかった。著者は臨床医ではないが、それを陰でささえる病理学の専門家である。臨床医の下した診察を検証し次回につなげるという重要な仕事である。
「重い任務から解放された直後には、えてして健康を害することがしばしばある」
「『お若いですね』と言われるのはもう既に若くないのだと悟らなくてはならない」
「noblesse oblige」「尊敬されるような立場を目指すならば、それ相応の義務・責任を背負うことを覚悟せよ」

■解雇規制の緩和
あるブログからの引用である。
「解雇規制の緩和」で、活発な議論が交わされているが、そもそも中小、零細では今も昔も首切りし放題であり、そもそも正社員なんてなんの身分保障にもならないことは、働いている現場の人間なら分かっていることである。
大手企業のサラリーマンですら、解雇規制の緩和で首切りのリスクを背負わなければならない時代なのだから、中小零細のサラリーマンなどはいつ首を切られても仕方がない。だから、非正規雇用という働き方も悪くはないですよ!というある種の洗脳政策であり、非正規雇用者の増大という、小泉政権下の雇用政策への回帰を図る社会的ムード作りにあるとみていいでしょう」