私がシャープを辞めたワケ

■「常識にとらわれない100の講義」(森 博嗣著、大和書房、2012年)を読む。
 読み始めて自分と似たような臭いを感じた。ほぼ同年代である。共感できたところを抜粋しておきたい。
「希望とは、現実にあるものを求めることである。」
「今やらないとできないかもしれない、と思って、好きな事を始めたのである。時間も金も場所も作ろうと思ったら作れるものだ。」
「人間は未来を予測できる動物」
「TVや雑誌や新聞などで得られるものは、とにかく浅すぎる。それよりも、あるテーマで一冊か二冊、本を読んだ方がよほど得るものがあり、視野が広がる。」
「芸術とは、考えるものではなく、感じるものだ。」
「何物にも拘らない」
「良い仕事というのは、切れ味の鋭い刃物でさっと仕上げたものであり、これがプロの手際というものだ。〜(中略)問題は、暇な時に、どれだけ刃を研ぐことができるか、ではないだろうか。」
「趣味という言葉は、『研究』に限りなく近い」
「意見はその内容で評価をすべきである。〜成功したものが勝つし、正しいものが後世まで残る。」
「十年先くらい、客観的に観察していれば普通は見えるものである。」
「『空気を読む』とは『将来を見据えること』にしてはどうか。」
「何かを買おうとして、候補がいくつかあって迷った時は、高いものを選べばよい。安い物には、安い理由がある。」

■私がシャープを辞めたワケ
日経ビジネスからの引用である。
「対象年齢は40歳以上、退職金の加算は最大で30カ月、希望者には転職に向けた支援を実施するという内容だった。多くの企業で実施されているリストラとそんなに違いはないだろう。
私は8月末に希望退職の応募が発表された時点で、退職を強く意識した。50代なので定年まで残るという選択肢もあったが、会社の状態を考えると去るのが良い選択だと考えたからだ。もちろん、退職金の加算がいくらになるかは気になったが。
私自身、2012年9月末に1回目の面談を受けた。対応者は旧知の部門長だったので、お互い気まずい雰囲気になった。コンサルティング会社から部門長にひと通りの指南があったようだ。「あなたには処遇する業務がなくなりましたと言わなきゃいけないんだ」と説明された。その後、10月上旬に2回目の面談があり、退職の意志を部門長に伝えた。
50代なので贅沢は言えない立場。給与水準にこだわらなければ、何とかなったというのが本音だ。私自身、転職先の給与はシャープ時代の約半分になることを受け入れた。退職金の加算でローンを繰り上げ返済すれば、給与が半分になってもやっていけるというメドが立ったことで転職に踏み切れた。子供が就職していたことも、決断するうえで大きかった。」