人は変われない

■「盗作の報酬」(三浦 明博著、講談社、2012年)を読む。
 妙に引き込まされる。プロの作家が他人が書いた小説を丸写しで出版する?というモチーフは良かった。推理小説なのか。
「小説は文芸とでもいうように、芸事と同じではあるが、この先も生きて書き続けているかぎり腕も上がり続けるから、とにかく書き続けることです。」
「散歩という行為に過剰な意味を求めるのがどだい間違いなのだ」
「早起きと言う清浄な行為へと駆り立てているものは、自分へのせめてもの罰かもしれなかった。」
「毎日毎日手を抜かずに、つねに昨日の自分を追い越そうという心構えで一文字ずつ書き続けること。」

■人は変われない
あるブログからの引用である。
「人間というのは、そう簡単には変われないものだ――。これは、私が自分の会社でやっている人材採用のビジネスで、多くの採用を見てきた経験から得た確信です。
たとえば日本のメーカー、パナソニックしかりシャープしかり、ソニーしかり。発想が旧態依然としていて、どうも周回遅れになっています。この時、多くの日本人は「社員は意識を変えるべきだ」「人が変わることによって、企業が変わる」と考えます。
しかし、人は本当に変われるものなのでしょうか。それによって企業は変わるのでしょうか? 私は、ノーだと思っています。
IBMの改革は「人の意識が変わった」からできたのでしょうか。否です。ガースナー会長は、いままでホストコンピューターを売っていた人々に対して、コンサルティングができるように教えたわけではありませんでした。
彼が行ったことは、ホストコンピューター部門の不要な人材を解雇して、新しくコンサルティングが行える人材を雇い入れたのです。つまり、人を入れ替えた。昔の従業員を新しい産業のために教育したのではなく、人をまるごと入れ替えたのです。CEOを入れ替えるということ自体、まさに「人を入れ替える」の象徴です。
シャープやソニーパナソニックなどの会社は、古くなった人材を解雇し(もしくはM&Aで切り離し)、コアの事業に集中しつつ、新しい人材を雇い入れることでしか劇的な復活は見こめそうにないと思います。そしてそれが、企業再生の王道です。
解雇規制の緩和がようやく成長戦略のひとつとして討論されるようになってきましたが、このような人の入れ替えができることが、企業が変わるための条件なのだと思います。」