将来の産業

■「東京・自然農園物語」(山田 健著、草思社、2007年)を読む。
 これは面白い。なんか自分画描いていた生活に似ている。でも、なかなかこうはいかない。著者のキノコや山菜に対する知識には感服した。実体験から来ているのだろう。都心の真ん中の4000坪の土地。そこには、森あり、池あり、畑あり、果樹園ありと自然の恵みが豊富である。池からはナマズも獲れる。これを、里山にしないで都心にしたことにより、風刺も利いている。さわやかな読後であった。

■将来の産業
日経テックオンからの引用である。
「世界的な人口の増加と新興国の経済成長に伴って、近い将来、食料需要はひっ迫
する。その危機を乗り切るため、関連産業は、大胆に変貌を遂げていくことにな
るだろう。
 カギとなるのは、エレクトロニクス・ICT技術とバイオ技術の大胆な導入である。
これまで蓄積してきた技術に、二つの先端技術組み合わせ、新たな技術体系を構
築することに成るだろう。その結果として出現するのは、高度に装置産業化した、
次世代農業、次世代食料産業といえるものであろう。
 農業や漁業の分野では、植物工場や陸上養殖が積極的に導入され、装置産業化が
進む。植物工場と陸上養殖を融合した「アクアポニクス」と呼ばれる事業形態も
登場する。植物工場の利点である、高い安全性、安定した供給能力などに着目し、
この事業に乗りだす企業が急増するだろう。
 畜産分野では、排泄物にも注目が集まる。これを新たなエネルギー源ととらえ、
再利用する試みが始まっている。この技術が確立できれば、畜産はもはや家畜を
育てる産業ではなくなる。
 食品加工分野では、微生物の工業的利用が進む。複合化技術も進展し、これらを
使ったに安価な合成食品や新食材が量産できるようになるだろう。流通分野では、
ダイレクト通販、One to One取引が急拡大する。食の流通革命が起きるはずだ。
こうした変革を強力に牽引するのが、エレクトロニクス・ICT技術である。先端
技術の導入は、設備産業化を促し、農業、食料生産などの実態を手工業的な家業
から企業主体の工業へと変貌させる。設備導入や先端商品の開発には、大きな投
資を必要とするからだ。知恵や経験だけでなく、先端技術を貪欲に取り入れる力
と大きな資本力が必要になるのである。
 そのことが、業界統合の動きを加速させ、同時に事業領域の拡大をもたらす。
ビジネスチャンスを求め他業種の参入も急増するだろう。そして近い将来、農業・
食品産業は現在の姿からは想像すらできない「トータル・サービス産業」へと変
貌を遂げるはずだ。」