ブラック企業無料電話相談

■「今日、ホームレスになった(平成格差社会編)」(増田明利著、彩図社、2013年)を読む。
 現在の状況や近未来の状況を知るには、いちばん影響が出やすいところがいいと言われている。著者も似たような考えらしい。
「ホームレスというフィルターを通して、今の日本の姿をとらえる」
「ストレスで変になる人がかなりいるんです」
「確かに苦しいけれど俺は乞食じゃない」
「サラリーマンはサラリーマンしかできないんだ」
「迷惑を掛けないと言っている奴は迷惑をかけてもいいと思っている奴」
贅沢は敵だ

ブラック企業無料電話相談
ある記事からの引用である。
「毎日深夜までのサービス残業を強要される」「仕事ができないなら会社をやめろと脅される」「売り上げが悪いと暴力をふるわれる」――
過重な労働や残業代の不払いなどで若者を使い捨てるにする「ブラック企業」が社会問題となっているが、おととい1日(2013年9月)行われた厚生労働省の無料電話相談には1042件の相談が寄せられた。
2人の被害者が語るブラック企業の実態を紹介した。7年前に小売業の会社に就職した男性は高校を卒業後、20代半ばまでフリーターをしていたが、やっと正社員で就職できた。ところが、「4日間で80時間くらい働いたことがありました」という勤務実態だった。入社9か月で店長に昇格したものの、月に200〜300時間の残業代は未払いで、店長になる前よりも月収が約8万円減った。よくいわれる「名ばかり店長」だ。3か月後にうつ病を発症、以来休職状態となり、6年間自宅療養を続けている。
今年(2013年)4月、都内の商社に正社員として就職した男性は、新しい業界なのでやりがいがあると思っていたが、7月下旬に突然解雇を言い渡された。「遅刻が2回だけあったんです。1回目は半日休暇という形で、2回目は病院に行くということで1時間遅れるというものでした。どちらも事前に早い段階で会社に伝えていたのですが、2回目の遅刻をしたその日のうちに解雇を通告されました」
解雇について取引先などにいわないよう口止めされたという。現在は就職活動しながら裁判の準備を進めている。
被害者支援しているNPO法人の代表、今野晴貴さんは「ブラック企業は使い捨てられてしまう会社なんです。それを見分けるためには、離職率、平均年齢、女性がどのくらい残っているか、こういう客観的な数字を見るよう心掛けてほしい」といっている。
ブラック企業はどうして増えたのか。「リーマン・ショック後になんとしても正社員になりたいという若者が増えました。それを背景に、正社員を大量に採用してひどい競争をさせ、大量に解雇する企業が出てきたのです。残業代を払わず、自主退職に追い込むために物凄いパワハラ、過剰なノルマを与える。採用される方は足元をみられているんです」
「使い捨てにされた若者は精神を病んだり、職を失い生活保護予備軍になったりします。それは医療費や社会保障費となりますから、企業のコストカットを国民が負担するという構図になっているのです」
厚生労働省も企業名を公表したり、書類送検したりと厳しい手段で臨もうとしています。若者ももっと知識を持って、組合を作るなり、弁護士に相談するなり、おかしいと思ったら訴えることです」
それはその通りだが、足元をみられている若者は弱い。国ももっとビシビシやるやるべきではなかろうか。