異動取り消し提訴

■「ニッチを探して」(島田雅彦著、新潮社、2013年)を読む。
大手銀行の副支店長がある日突然失踪する。10万円だけ持って、初日に5万円のホテルに宿泊し、数日で所持金がなくなりホームレスになる。いろいろな出会いがあり、最後には殺されそうになるという、面白い話であった。
「もうこれ以上の発展も、進化も、成長もないと見切ったら、あとは堕ちてゆくだけである。」
「桜の木の下には死体が埋まっている。」
「『自立する』というコトバは『孤立する』という意味なのだ。」
「人は生きている限り、迷う」(ゲーテ
「食用可能かかどうかの見極めは〜図書館でそのノウハウを身に着ける〜」
「荒行というものは意外にも、慣れてくれば、苦の中に楽を見つけられるようになる」
「産業社会に生きることを自明のこととしてきた者たちは、突然、山林や荒野に放り出されても何もできない」

■異動取り消し提訴
朝日新聞からの引用である。
「官僚の「天下り人事」を減らそうと、政府が2008年度に導入した公務員制度改革をめぐり、正当な理由なく降格させられたなどとして農林水産省のキャリア官僚が、異動の取り消しなどを国に求める訴えを東京地裁に起こしたことがわかった。同制度についての訴訟は初めてとみられる。
 訴えを起こしたのは農水省の政策課と秘書課両方に所属する政策情報分析官(57)。口頭弁論は10月2日に予定されている。
 訴状などによると、分析官は東大法学部を卒業し1980年に入省。本省の課長などを経て11年1月に「専門スタッフ職」として、分析官への着任を命じられた。その結果、給料は約2割減り、「明らかに降格であり、民間の判例をみても不利益を被った」(分析官)としている。
 国家公務員法では、正当な理由がなければ降格や免職はなく、降格時には事前に説明書を本人に手渡さなくてはならない、と定めている。だが、分析官によると、降格されるような理由は思い当たらず、文書での説明もなかったという。
 分析官は納得せず、異動取り消しや制度見直しなどをもとめて人事院に審査要求などをしてきたが事務局段階で却下されたため訴えを起こした。現在は、政策課や秘書課から遠く離れたフロアの個室で、1人で調査研究に取り組んでいる。」