老いのレッスン

■「孤立無業(SNEP)」(玄田有史著、日本経済新聞出版社、2013年を読む)
 この言葉を知ったのは一年以上前くらいか。また、新しい言葉を流行らせようとしているのかと思った。今のところ流行る気配はない。
「無業者になると誰でも孤立する」・・・当たり前のことではないか?
「孤立の一般化が進んでいる」

■老いのレッスン
日経ビジネスよりの引用である。
 「老いのレッスン効果てきめん。ゆっくり進むと、周りの流れが予測できるようになるのです。
 このことが、他者や家族への感謝や配慮という忘れがちなことも、普段のこととして大事であることを再認識させてくれました。
 まさに、共生という日本人の生き方。もともと日本人は、人間は自然の一部という哲学のもとで生きてきました。山川草木悉皆成仏です。不自然に生きるより、自然と共に生きて、風化していく。そんな生き方を思い出させてくれるのも、老いのレッスン。
 そして、自力で考え自力で解決しようとする心。決して、子供や家族に頼り過ぎない心構え。それができたら、脳を楽しませるために、山へ行く、海へ行く。土に触れる、花をめでる。
 人生の終盤だからといって、静かに過ごすより好奇心全開。もう失うものもないのですから、防御するより一歩前へ足を出す。そうすれば、若い頃には見なかったもの、理解できなかったことが体にスッと入ってくるのです。
 少しでも動けるうちは、いきいきと生きる。そして、この世を去るときは潔く去る。それが、生きること。
 いかがでしょうか。老いのレッスン。
 今の日本社会には、それを生かす知恵が欠けているような気がします。そこには、大きな市場機会さえも潜んでいると思うのですが。」