解雇特区

■「57歳のセカンドハローワーク」(布施克彦著、中経出版、2005年)を読む。
 古い本であったが、自分にはぴったりであった。そろそろ結論を出さなければならないかなあ。
「『まだ3年弱ある』ではなくて、『もう3年弱しかない』と考えるべきである。」
「自己解決が基本となる」
「明日の運命は誰にもわからないのが、今のご時世だ。変化の時代。不透明の時代。グローバル大競争の時代。経営者受難の時代である。」
「まずはスペシャリストになること」
「組織から超然となれる、孤高を保てる部分があるかどうか。」
「自分のセールスポイントは、誰にもわかりやすく明瞭にしておくこと」
「シニア海外ボランティア」
「資格保有者が有利となる」
「高齢化する農業人口に新風を吹き込むのは、競争社会を生き抜いてきた団塊の世代だ」
「山岳部で鍛えた体力は、まだ一部維持されていた」
NPO法人日本経営士協会」
「人生守りに入るのではなくて、攻めの姿勢を崩さないことだ。」

■解雇特区
日経ビジネスからの抜粋である。
「雇い続けることはホントに価値はないのか?
 契約業務にした方が、企業には好都合なのか?
 雇用の流動化がないと、いい人材を獲得することができないのだろうか?
SASのグッドナイト氏は常々、「会社の成長に必要なのは、全社員を雇い続けること」と説き、安定した長期雇用に価値を置いた。
 そして、「経営にとって最も重要なのは、社員を信じること。会社が社員を信じれば、社員も会社に忠実になる」と自らの経営哲学を貫いている。
 社員を信じているから、勤務時間は原則自由。何時に出社してもいいし、何時間ランチを取ってもいい。働く時間は社員のものとして、社員を信じる。
 「何をしていても、ちゃんとやってくれるだろう」と経営者が信じれば、社員も「期待通りの仕事をしよう」と思うようになる。そう彼は説いているのだ。
 しかしながら、中には会社を裏切る人たちもいる。そうなったときには、「すぐに退職するか、90日以内に行動を改めるか。あなた自身が決めなさい」と迫る。
 でもこれは、何も「辞めてくれ」と、退職を迫るものではない。「私たちはあなたが、我が社の社員として振舞ってくれると信じています。でも、そうしたくないとあなたが思うのであれば、縁がなかったということでお別れしましょう。お互いのためにね」というメッセージだ。すると90%以上の確率で、後者を選び、しっかりと働くようになるのだという。
組織を「人の集合体」と捉えれば、社員を長く雇い続けることは、決してマイナスではなく、むしろ生産性の向上につながる価値あることなんじゃないだろうか。
 そういう「人の尊厳を大切にする会社」には、たとえ賃金が他社よりも低かろうと、優秀な人材が集まる。できる限りいい仕事をしたいと願う人は、それが可能な会社を選びたくもなる。
 一方、賃金の高さの魅力だけで企業を選ぶ人は、「今以上に払いまっせ」というほかの企業からオファーがあれば、さっさと見切りをつけて会社を離れる。
 「会社が社員を信じれば、社員も会社に忠実になる」。「カネこそがすべて」と考える会社には、「カネこそがすべて」としか考えない社員しか集まらない。 」