団塊経営者の大量引退

■「夢、ゆきかひて」(フィリップ・フォレスト著、白水社、2013年)を読む。
 翻訳本であるが、大江健三郎の研究者ということで違和感なく読めるのはありがたい。
しかし、評論というのは堅い読み物であるのか、哲学的であり最後の方は目だけで字を追っていたようだ。いくつか、拾ってみたい。
「詩人の作品は『方向づけられた夢』のようなものだ。」
「驚きは、大きな新原動力である。」
「美しい本はみな一種の外国語で書かれている。」
「目は心が知る以上のものを見ている。」

団塊経営者の大量引退
週間ダイヤモンドからの抜粋である。
「「不祥事を起こす会社の共通点」として、「トップが長年にわたり、その座についている」「代々続いている創業家企業」などの特徴を挙げた上で、「自分たちは決して悪いことをしていないと思っていても、外から見れば非常識なことに映る」企業文化がつくられると記している。
 中小企業のM&A(事業売却)の支援を手がける東京都事業引継ぎ支援センターに最近、こんな相談が目立ち始めたという。支援センターが霞が関にあるという土地柄か、相談に来るのは近くの大手企業に勤務するエリートサラリーマンである。
ただ、自身がリスクを取って中小企業の後継者になるつもりはない。後継者が不在にもかかわらず、候補者を探そうとしていない父の会社が心配だというのだ。
中小企業を次世代の経営者に引き継ぐ事業承継。最近になって特に注目されるようになった理由の1つは「経営者の高齢化」である。
帝国データバンクによると、過去5年間で交代した中小企業の経営者のうち約3割が70歳以上。年齢層別でも、65〜70歳が23.8%で最多を占める。高度成長期に起業した団塊世代の経営者の大量引退が始まりつつあるのだ。
会社の業績面からいっても世代交代が早いに越したことはない。 承継時の後継者の年齢が40歳未満の場合、6割近くが承継後に業績が「よくなった」としている。後継者不在を理由とした廃業は年間約7万社。その結果、毎年20万〜35万人分の雇用が失われているという。」