脳と働き方の関係性

■「人間撲滅的人生案内」(深沢七郎著、河出書房新社、2013年)を読む。
 内容が古いので出版年を確認したら2013年であった。この理由は最後に分かることになる。1967年から1969年までの話であった。
 雑誌に寄せられた身の上相談に対して著者が応える形式である。
「作家、ギターリスト、であられその上百姓をご自分でやっておられる。」
「此の世はうごいているものなのだーーー日や月が動いているのだから人間の生も死も人の心の移り変わりもうごいているものなのだ。」
「この世のすべての物、行動、縁、型、幸福、不幸、生死は全然ないもので、もし、そこに、形とか姿があっても、それはないものだという」

■脳と働き方の関係性
週間ダイヤモンドからの抜粋である。
「心理学者のユングによると、人間の脳にはもともと4つの機能が備わっているそうです。その4つとは思考(Thinking)、直感(Intuition)、感情(Feeling)、感覚(Sensing)。言われてみればなるほど、ですよね。私たちは常に、この4つの機能を時に応じて使い分けながら日常生活を送っています。
IT関連の職場では、論理的な思考力を使うウエイトが非常に高い一方で、感情機能を使う場面はそう多くありません。ものづくりの職人ならば、手や皮膚の感覚は非常に敏感でなくてはならないでしょうが、オフィスワーカーの多くはそうした感覚を使わなくても、済んでしまいます。
こうして考えると、文明化に伴う職業の専門分化は、私たちがもともと持っていた脳機能をある部分では奪う方向に働いているのかもしれません。これは同時に、ジャングルでサバイバルするのとはまったく別のリスクが増大したことも意味しています。
現代社会における最大のリスクとはこのように、専門分化した職業の偏りがそのまま脳機能の偏りに反映されてしまうことかもしれません。脳機能の偏りは環境変化に対する適応力を弱め、その人のキャリアの幅を縮めることになります。先行き不透明な変化の激しい時代、脳機能の偏りによってキャリアの幅を縮めてしまうことは、ビジネスパーソンにとって最大のリスクです。
それと、これはしばしば誤解されますが「ワークライフバランス」とは決して、仕事に費やす時間とプライベートに費やす時間を半々にしましょう、という意味ではありません。人生の中で思いきり仕事にのめり込む時期があってもいいし、仕事以外のことに熱中する時間があってもいい。大事なのはその割合ではなく、先ほど言った4つの脳機能を意識して生活することの方だと思います。」