プア充

■「離婚男子」(中場利一著、光文社、2013年)を読む。
 最近もこの著者の本を読んだばかりだ。なかなか、面白く、シャレも利いていて好みで有る。しかし、なぜか笑ってばかりはいられない瞬間がある。これもいい。
「虚言癖があり、浪費家で見栄っ張り、尻が軽くて浮気性、そのうえ口まで軽いし計画性ゼロ。」
この言葉が何回も登場し、モチーフになっているのかとも思いながらの読了であった。

■プア充
日経ビジネスからの抜粋である。
 「昇給・出世するにはプライベートの時間を削り、身を粉にして働くことが求められる。出世したとしても仕事量が増えるばかりで、仕事がラクになるわけではない。だったら仕事に縛られずにそこそこ働き、年収300万円ぐらいで自分の生活を充実させていこう。収入が低いからこそ豊かで安定した生活ができて、楽しく幸せに生きられる。そんな生き方=“プア充”を勧めているのだ。
 そういう考え方は大切だし、「経済成長命!」「カネカネカネ!」とばかりに、フツーの人たちまでもが株価に一喜一憂している世の中よりも、精神的な豊かさを追求したほうが、よほど健康的だとは思う。
 「母は、ずっと働いています。正社員ではありません。なのに、いつも働いています。ブラック企業で働いています。でも、辞めません。なぜなら、貧困だからです。ワーキングプアとか、プア充とか。“プア”なんて、軽い言葉で言ってほしくない。貧困は……、そんな生易しいものじゃない」
 「仕事があるとき、やってもらえる人。人手が足りないときには、それを賄ってくれる人。何? それが嫌だ? だったら、キミじゃなくてもいいんだよ。他の人を雇うから」
 それが企業のホンネなのだ。 」