ノロウイルス

■「健やかにさよなら」(羽成幸子著、春秋社、2010年)を読む。
「人間は、常に、病気が貧乏か不幸かのいずれかと付き合っていなくてはいけない。」
「六十代は自由が羽ばたく年代だ。」
「山歩きを楽しむ夫だ。癌で命を落とすより、崖から落ちるほうが、終わりの確率は高い。」
「人はひとりでは生きていけないが、ひとりに強くならなかったら、自分らしく生きられない。そのためには孤独を鍛えることだ。その恰好の修業の場のひとつに結婚がある。」
「妻は夫に従わず、夫も妻を当てにせず、言いたいことをはっきりと、ケチなプライドを脱ぎ捨てて、共に明るく、朗らかに・・・・・。」
「定年になったら、さよならを始めよう」
「自分の人生とは、好きな事をすることだ」
「人生に終わりがないように、学ぶことにも終わりはない。」

ノロウイルス
読売新聞社説である。
 「ノロウイルスが猛威を振るっている。全国各地で集団食中毒が後を絶たない。手洗いの励行で感染拡大を防ぎたい。
 浜松市で今月、給食の食パンを食べた1000人以上の小学生らが嘔吐(おうと)や下痢などの症状を訴え、学校閉鎖が相次いだ。
 京都市の病院では、約100人の患者らが症状を訴え、うち4人が死亡した。一部の患者からノロウイルスが検出された。
 発症すると、激しい嘔吐や下痢、腹痛に襲われる。大人の場合、数日で治るが、抵抗力が弱い乳幼児や高齢者は重症になりやすい。嘔吐物をのどに詰まらせて死亡する高齢者も少なくない。
 厚生労働省の速報値によると、昨年12月の患者数は約1700人に上る。大流行した2006年ほどではないが、年が明けても患者は増えている。流行は2月まで続くという。警戒を怠れない。
 家庭や学校、職場で、予防の意識を高めることが重要だ。
 ノロウイルスは、患者の便や嘔吐物、加熱が不十分な二枚貝などに潜んでいる。感染力が強いことが、最大の特徴だ。わずかな数のウイルスが体内に入っただけで、感染してしまう恐れがある。
 ノロウイルスが付着したドアノブを触った手から経口感染する。床に飛散した嘔吐物の消毒が不十分だと、乾燥したウイルスが舞い上がり、感染が広がる。
 家族が発症したら、タオルを共用せず、ペーパータオルを使う。衣服は別々に洗濯する。こうしたことが感染防止に役立つ。
 医療機関介護施設などは、集団感染に細心の注意を払わねばならない。入院患者や入所者の体調の変化に留意する必要がある。
 やっかいなのは、感染者が自覚症状のないまま感染を広げるケースがあることだ。浜松市の場合、給食の食パンを納入していた製パン会社の従業員4人からノロウイルスが検出されたが、いずれも体調不良は訴えていなかった。
 この製パン会社では、従業員にマスクや手袋の着用を指示していたが、防ぎきれなかった。
 食品会社は、従業員にトイレの後や調理前の手洗いを徹底させるのはもちろん、調理器具を十分に消毒することが大切だ。
 ノロウイルスに対し、アルコール消毒は効果がない。衣服は85度以上の熱湯に1分以上浸す。調理器具には、塩素系の消毒剤を用いることがポイントだ。
 ノロウイルスにはワクチンや治療薬がない。だからこそ、予防に万全を期すことが重要である。」