社員から愛される会社

■「東京放浪記」(別役 実著、平凡社、2013年)を読む。
 劇作家で75歳の著者は昔を思い出しながら書き進めているようで、内容が濃かった。
「原稿用紙を抱えて喫茶店へと渡り歩いていた」
「仕事をしながらでもほんは書ける」
「定期的に登山をして」
「私の山手線巡りは、喫茶店探しといっていい」

■社員から愛される会社
ある記事からの引用である。
「実はこのテーマは、社内活性化目的でクライアント企業のお手伝いをする際に、必ず社員からヒアリングをする項目でもあります。そして、ある程度の人数のヒアリングを実施すると、業種を問わずにほぼ共通して社員から出される主流意見は3つのキーワードに集約されます。それは、「ビジョン」「やりがい」「思いやり」です。
「ビジョン」とは、会社がどこをめざし今その過程のどこにあるのかを知ることです。これは社員自身の将来に計画性と現実味をもたせるための重要な情報でもあるのです。「目先の数字だけじゃない目標が欲しい」「会社がどこをめざすのか明確に示してほしい」などが「ビジョン」を求める声です。自分の身を会社に委ねる前提条件と言えます。
「やりがい」はもちろん働き甲斐のこと。会社や仕事の中において、自己の存在感をいかに感じることができるか。会社が社員にいかにして存在感を与えているかでもあります。具体的には「自分の存在価値を実感したい」「社外の人にも胸を張れる仕事がしたい」などの声が聞かれるのです。これは日々自分を鼓舞する材料と言えます。
「思いやり」は、"使い捨て"ではない雇用関係。"使い捨て"を感じさせられた瞬間に、どんなに素晴らしい待遇も冷めた目で見られてしまうことでしょう。「会社に利用されていると感じされる会社は嫌」「いくら給与が高くとも、疲弊させられる職場はダメ」などの意見が代表例です。組織は人間の集まりですから、「より心地良く」は欠かせない条件なのです。」