アラウンド定年

■「温泉に入ると病気にならない」(松田忠徳著、PHP新書、2010年)を読む。
「癌細胞は35℃のとき、もっとも増殖するといいましたが、逆に43℃以上で死滅すると言われています。」
「シャワーでは表面の汚れは流せても、代謝は活発にならないので、血液中の老廃物は排出されません。」
「世界一おいしい水が流れていたはずの国の人々が、いまやガソリンより高いミネラルウォーターを平気で買って飲んでいる。」
「湯治というとお湯につかるだけのイメージが強いでしょうが、〜温泉地での保養にはウォーキングがつきものでした。」
「風呂あがり直後の冷たいビールは×です。」
「本格的に一週間以上の湯治をする心の余裕のある人は、私にいわせるともう人生の勝利者でしょう。」
「水の塩素処理とがんの関係〜がんの発生率は水道水の消費量とともに増加した」
「塩素殺菌された水は飲むより浴びる方が数段、危険」
「風呂に塩素が混入されていると、いくら浸かっても温まらない」「生体の防衛反応」
「入浴剤は『地球物語の塩』」
「おすすめなのが『木酢液』」
「地下から湧き出したばかりの温泉には、さまざまな成分が含まれ、強い活性があります。」
「北海道は大雪山国立公園の東南、然別(しかりべつ)峡の奥に湯煙を上げる菅野温泉は〜『菅野の湯で治らぬ病はない』とその効能を讃えられてきた。」
「文明の利器のかかわっていない温泉こそ、自然に近いものです。」
「〜山道や階段をさんざん歩かされて〜そこを『不便だ』と不平をいっているようでは、ホンモノに出会うことはできない。」
「どうすれば湯治にふさわしい宿を見付けられるか〜できるだけ料金の安い宿をえらぶことです。」
「入浴の基本は内風呂です。」
「露天風呂がない宿を選ぶのも〜一つです。」
「湯治生活は三、四週間でいったん切り上げたものでした。」
「脱衣所でゆっくり休む余裕をもちましょう」
「最近の日本人は、機械類に頼って能動的に動かないせいか、思考回路が退化している」
「およそ入浴の法は、旅より着きてしばらく休息して湯に入るべし」
「がんのような重篤な病気にかかるときは必ずといっていいほど、体温が低下します。」
自然治癒力を高める方法
① 温泉浴により、体温の上昇、それが白血球の数と機能を適正にし、免疫力を高める。
② 毎日のウォーキングにより、同様の効果を得る。
③ 和食中心の少食により、健康な心と体を取り戻す。
④ 温泉で価値観を同じにする人々が集うことで、笑い、笑みを取り戻し、それが免疫力を高める。笑うことでがん細胞が消えた事例はいくらでも報告されている。」

■アラウンド定年
週間ダイヤモンドからの抜粋である。
「今後定年までの4、5年、そして定年後再雇用の65歳までの5年、その先70歳くらいまでどんな生き方・働き方をしたいか、将来の自己活躍イメージをまとめてもらうシートだ。だが、企業の施策をよく理解し、役割変化後の仕事・貢献テーマ、あらたな働き甲斐など地に足の着いた、キャリアビジョンを描ける人は3割くらいしかいない。
仕事は自分で選べない、先のことは退職したらその時考える。自分に何ができるのか、本当は何がしたいのかはよくわからない。自分の経験をどう活かすか、それは自分が選ぶものではなく、企業が与えるものとの意識だ。退職後をどう生きるか、早めに田舎に帰る、社会人大学院に行く、親の介護に専念するなど、一部の目的ある方を除くと、大半の方は、「再雇用」で会社のあてがってくれる仕事でお世話になるつもりだ。
 現実に役定のシニアに、好待遇で期待の多い仕事をあてがうことなどほとんどの企業はできない。できないから、そのことを、シニア本人に自己活用の道を考えさせるなかで厳しい現実を理解させようとするのだろう。結果、あてがわれる仕事での満足度は低く、頑張ってもそんなに評価されることもなく、割り切ってやるだけ、の社員が増えていく。今更頑張って何になるのか、もう退職まで3、4年、再雇用で残り頑張って5年。そんな頑張れるほどの仕事でもないのに…。
何か、役定後も頑張って活躍してほしいという企業と、自分たちもそのように仕事意欲を失わず頑張るはずだったシニア個人の間に物言わぬ不信感が漂い、隙間風が吹いている。シニア活用の現状を本人たちはよくわかっているし、先輩たちの苦労する姿も見ているし、またそのぼやきもよく聞いている。
 退職金がまもなく入り、役職の責任からも解放される日が来る日を予感する頃、この先の人生をもっと充実した日々にするシニアの夢、それはこの時期特有の青い鳥症候群だ。現実そんな青い鳥を手に入れられる人は稀だが、役定・定年前後、企業との関係性が薄まり仕事の責任感から解放されていくこの時期、今までとは違った充実感や生きがい働きがいがほしくなる。表面はまだまだ現役を装うが、内面は気楽で自由な働き方に惹かれるのだ。
 大半の方にとっては、自分が働ける残り時間を従来の管理職的な仕事満足から、自分が係わる範囲の仕事で、日々の充実と満足を求める働き方に転換していく。
 役割変化の中で、リタイアの誘惑と青い鳥の誘惑に罹ると、定年を目指して早めに着陸態勢をとり始める。これが「定年前OB化」。再雇用ではさらに賃金・雇用期間契約になることから、「再雇用後腰掛け仕事」のスタイルを生む。
 将来志向の夢が断たれると、仕事をする張り合いが失われ、次第に自己無用感が生まれ始め、意欲やコミュニケーションの点で問題の多い働き方に陥る。これを防ぐには、新たな役割に対する①役立ち感を高めることと②仕事目標・達成の承認・評価をキチンと行うことが必要だ。」